みにゃさま、こんにちは。
今回はうちの
カマンと
にしめのとある出来事についてお話します。
まずは二匹の簡単な紹介です。
カマン
カマンは2017年1歳の時に、お外を放浪しているところを友人が発見し、保護に至り我が家にお迎えした猫です。穏やか朗らかな性格でカマンの後に迎え入れた猫たちも快く受け入れ、子猫に至っては一生懸命お世話をしてかわいがってくれました。
我が家の猫頭としての自覚があり猫たちからも頭として信頼されています。我が家歴5年、今年6歳になります。
にしめ
にしめは2020年12月に7歳で繁殖猫を引退したところでご縁がありお迎えしました。とにかく人が大好きで、動じず臆することなく我が道をいく、堂々とした性格です。猫に対しての関心はほとんどありませんが、相手が自分の時間やスペースを邪魔しなければ、ぴったり横に居ても気にしません。嫌なことは嫌、好きなことはとことん突き進む、はっきり白黒つけるグレーゾーンのない極端なタイプ。我が家歴1年ちょっと、今年9歳です。
にしめはお迎え初日から人・猫見知りせずうちに馴染み、カマンを含む他の猫たちもにしめを受け入れ、皆とうまくいっていました。にしめは干渉しない性分のカマンと居ると安心するようで、気づくと静かにカマンの横にいる姿もよく見られました。カマンは一人で過ごすのが好きな猫ですが、一定の距離を保ちながらにしめが横にいることを許し、にしめとカマンの大人同士の穏やかな時間、そして皆との平穏な暮らしが続いていました。
ところが、にしめお迎えから2ヵ月ほど経ったある日、なぜかカマンがにしめを執拗に追いかけ叩くようになったのです。一時的ではなくしばらく続いたので、一体どちらが仕掛けているのか観察していると、カマンから仕掛けていました。わざわざ寝ているにしめの所まで行き、ばしばし叩いたり、通りすがりににしめが目に入ると叩いて去ったり......。
一方のにしめは、反撃はせず逃げるだけ。追い詰められ逃げ場を失った状態で叩かれそうになると防御の為手を出すのみ。でも、にしめが手を出すと、カマンのふわふわ長毛に爪が引っかかるので、ごっそり毛が抜けるのはいつも仕掛けたカマンの方。カマンは叩くけれど爪を出していないようで、にしめの毛が舞うことはありませんでした。
カマンは遊びがエスカレートして相手をケリケリすることはたまにありましたが、他猫を叩いたり追い払ったりすることは今まで一度もありませんでした。うさばらしでちょっかいをかけるようなこともなく、喧嘩好きでもありません。これは何かあったに違いない!と思い一体どうしたのか、何があったのか、カマンに尋ねましたが、不機嫌な表情でぷいっとそっぽを向くだけで理由は教えてくれませんでした。
にしめにも聞きましたが、こちらもだんまり......。このだんまりは理由を知っていてあえて言わないのではなく、理由が分からないので言いようがないだんまりに感じました。
フラストレーションによるうさばらしなどではなく、私の見ていない所で二匹の間に何かがあったのかもしれないので、一方的にカマンを叱ることもできません。が、あまりにカマンがしつこいので、そんな時はきつい言葉で叱ることもしばしば。
にしめが我が家に来たての頃、私の脚に挟まって眠るにしめの後ろにカマンが来て、そっとにしめに触れた記念すべき初めての触れ合い――それがどれだけ嬉しかったか(涙)。まさかその後にこんなことが起ころうとは知る由もありませんでした。
アニマルコミュニケーションは動物との対話だけでなく、過去に何が起きたのか時を遡って知ることもできますが、カマンの場合はそれを嫌がりました。嫌がられても過去を見ることはできますが、彼の意思を尊重せず勝手に見てしまうと、私たちの信頼関係が崩れるような気がしたので、ひたすらカマンから話してくれるのを待ちました。
カマンが原因を話してくれたのは今年の始めだったので、結果1年待ったことになりますが、1年も待てたのは血を見るような激しい喧嘩ではなかったこと、毎日は続かず突発的に始まったと思ったらしばらく止み、何もない平和な期間が少しずつ伸びていたこと、カマンのちょっかいの後、にしめがひどく怯えたり悲しんだり特別落ち込んだり根に持たなかったこと、そして、その時以外の二匹は隣り同士でいることもたまにあったからです。
緊急性があった場合は信頼関係が崩れるも何も言っていられませんので、そうなれば信頼は後で取り戻せばいい! と意を決してカマンの許可なく過去に起きたことを見ていたと思います。
とは言え、大らかな心で待っていたわけではなく、最初の頃は教えてくれないカマンに苛立ち、きつく叱ったり罵ったり、しつこく聞いたりしていました。押してダメなら引いてみな手法で、前回聞いたことを忘れたであろう頃に叱るのではなく、最高の笑顔で聞いてみたり、あの手この手を尽くしましたが、それでもカマンは口を閉ざしたまま......。今思うと彼の性格上、聞かれたことは絶対に忘れるはずがありませんし、私は本心で笑っていないので口元だけは笑っていましたが、目は必死の真剣で怖かったはず(笑)。
そうこうしているうちに、カマンの休戦平和期間も徐々に長くなり、穏やかな時が1,2ヵ月続いていた今年始めの朝――。
私とカマンは冬限定で一緒に寝ているのですが(寒い時期限定で暖を取りに来るあれです)、寝起きのベッドでお布団をかぶったまま「そう言えば最近聞いてないな。どうせ話してくれないだろうけど聞いてみとくかな。」とふと思い立ち、「おはようカマン。そう言えばにしめと何かあったんだった?」とあくびを交え軽い気持ちで聞いてみたのです。
すると、「ぼくの椅子を取った」と即答で返ってきたのです! 非常に仏頂面で。
「え!? 椅子? 椅子を取ったって何の椅子? どういうこと?」と、思いがけないカマンの即答に驚き目が覚め、私は一気に質問攻めにしてしまいました。
これには当然のように返事は無く、だんまりを決め込みささっと寝室から出て行ったのでした。
椅子? カマン専用の椅子なんてあった? 無いよね? 椅子ってどの椅子!? カマンが去った後も脳内独り言は止まらず、私はうちのあちこちにある椅子で頭の中がいっぱいになり、混乱してしまったのでした......。
次回、後編に続きます。
原稿を書き始めると珍しく二匹が近くでお昼寝! 仲良しアピールでしょうか......
フェリシモ猫部からのお知らせです。
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連載が書籍になりました。
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
「アニマルコミュニケーター」って、ネコちゃんと会話ができるんですか!
「聞く」とか「話す」とか「だんまり」とか、不思議(笑)。
「ぼくの椅子」って、もしかしたら飼い主さんのことかな?
by nao 2022-05-13 13:04
すごーい、「アニマルコミュニケーター」って、こんなふうにネコちゃんと会話ができるんですか!
「聞く」とか「話す」とか「だんまり」とか、不思議……(笑)。
「ぼくの椅子」って、もしかしたら飼い主さんのことかな?
by nao 2022-05-13 13:10
後半、楽しみにしています。カマンくんに何があったのかな?とても気になる!
by 名無し 2022-05-13 23:39
たまにはこうゆう話もいいですね~それにしても続き気になる!
by ひろあ 2022-05-14 00:11
>nao様
不思議ですが人と会話するのと同じように会話できます^_^
受け取り方は会話のように声が聴こえたり、イメージで受け取ったり様々なようです。
by 岩津 2022-05-14 11:07
カマンくんに何があったのかな?後半がとても気になります。次回が楽しみです。
by ナルちゃんママ 2022-05-14 15:55
椅子ってママのお膝の事?何気ない行動が、もう一方には面白くないって思われることあるもんね。
沢山の生き物と暮らすって、同じように接するのが難しいなって思う。18年暮らした子を亡くしてから、兄弟猫を引き取って9か月。兄弟だから適度な距離感と遠慮で喧嘩にはならずに救われてるけど、できるだけ差がない様にと気を使っちゃうな。
by 茶磨 2022-05-14 23:42
後半どうぞお楽しみに♪ありがとうございます。
by 岩津 2022-05-16 10:59
>ひろあ様
うちの日常のできごとシリーズ、今後も書いていこうと思います(*^_^*)
by 岩津 2022-05-16 11:02
>ナルちゃんママ様
ありがとうございます。今だから笑って話せる二人の関係、後半をお楽しみに♪
by 岩津 2022-05-16 11:04
動物たちのとの会話は
声で聞くのではなく心で聞く感じ😊
アニマルコミュニケーターの方はそれを訓練して精度を上げていくイメージですが、飼い主さんなら結構無意識に話してるのでは?と思います。
by みー 2022-05-16 12:35
>茶磨様
性格がみんなそれぞれ違うことで私たち人間は揉まれて磨かれてますよね^_^
by 岩津 2022-05-16 13:40
>みー様
言語のみを使ってのコミュニケーションは人間同士だけですね☆
by 岩津 2022-05-16 13:43