みにゃさま、こんにちは。
前回に続き、今回は我が家のカマンとにしめについてのお話の後編です。
カマンがにしめを執拗に追いかけ叩いていた理由について、「ぼくの椅子を取った」とようやく話してくれたカマン。
その後しばらく考えに考えましたが、椅子の意味は分からず。家事や仕事をしているうちに椅子のことは頭を離れたのですが、離れたからでしょうか?ふとこんな映像が脳裏に一瞬浮かんだのです。
それが、これです!
前編でもご紹介した、
にしめについての紹介ブログ にも載っているこの椅子。カマンの表情はむすっとしていますが、この時はまだ仲違いはしていませんでした。カマンのことを好きなにしめが、カマンのいる場所にぐいぐい行くのでこの表情なのです。
そう言えば、以前はカマンが独占していたこの椅子、最近にしめがずっとここで休んでることに、この時気付きました。この椅子のある場所は、冬は暖かく夏は風通しが良く、猫にとっては非常に心地いい場所。ハイチェアなので床を歩く他の猫たちのこともあまり気にならない独立感もあり、静かで気楽に過ごせる場所なのです。おまけに古くなったクッション部分はやわらかく体を包んでくれるので睡眠にぴったり。
椅子は2脚並べていますが、にしめが来る前はカマンが独占していました。カマンが日中眠る時間帯はだいたいここにいるので、他の猫は長であり一人で過ごすのが好きなカマンを気遣い、椅子に上がろうとはしませんでした。
来るなよ感満載の眼力
にしめは気遣いはしない性分で、細かい事も気にしません。嫌と言われれば二度としませんが、言われなければOKなのね、という彼女なりの判断基準があります。
ちなみに察しない性格はにしめだけで、他の猫は全員察して行動するタイプです。一般的に猫や他の動物は、野生の部分なのか、察することに関しては人間よりうんと長けているとは思うのですが......。これはやはり性格ですよね......。
くっつくことはありませんが同じ場所で眠ることが多いカマンとにしめ
カマンに率直に聞いてみました。(うちでの喋り方をそのまま載せてます)
「カマン、わかった! 椅子やろ? カマンのことやし先客でにしめがおった時に、ここはぼくの椅子だからとかなんとか言わんかったやろ? むっすーとして不機嫌なって終わったん違うん?」
ジト目でだんまりのカマン。こういう時は図星です。
「あんた、自分の気持ち言わな! 言わんなにしめは分からへんよ。カマンは言わんくても分かるけど、にしめは分からへんねん。分かってほしくて嫌がらせしてもにしめには伝わらへんよ。ただのいじわる。にしめにはちゃんと言わなあかん。」
カマンはうんもすんも言いませんが、その場から動かずちゃんと私の話を聞いてくれています。
「でも私もごめんな。長いこと気付かんくて。カマンが言ってくれるの待っとってん。みんな仲良くとは言わないけど、みんなそれぞれ気持ちよく暮らせたらって思ってるねん。にしめのこと受け入れてくれてありがとう。いつもありがとう。」
まだうんもすんも言いませんが、カマンが分かってくれたのは伝わってきました。
にしめにも話そうと思いましたが、当事者同士に任せた方が良いとこの時に感じたので、この日は話さず様子を観ることにしました。
そしたらなんと、この日の夜からにしめが私のベッドに来てみんなと一緒に眠るようになりました。(涙)この日までにしめはいつも一人リビングで寝ていて、寝室には来ませんでした。正しくは来ないのではなく、カマンの「OK」が出なかったので来られなかったのです。
一人で寝るにしめを不憫に思い、カマンの意思を尊重せず事を押し通すと、カマンのプライドは傷つきますし、猫たちの関係のバランスが崩れます。寝室については、にしめはカマンからはっきり「NO」と言われていたので、それを守っていました。長であるカマンには寝室ルールがあり、カマンが家族と認めた者だけ夜一緒に眠れるのです。(夜一緒に眠るってそんなに特別な事なんですね!)
言われればわかるにしめですが、寝室に入れないことについて酷く傷つくといったような、落ち込む要因にはなっていなかったのが見て取れたこともあり、介入はしませんでした。ちょくちょく「にしめも来てよ!」と誘ってはいましたが。
そんなこんなで1年がかりの決着がついたカマンとにしめ。人と同じで猫の性格も千差万別なのでいろいろなことが起きますね。カマンは今もにしめにちょっかいを出すことはありますが、以前の排除のようなけしかけ方ではなく、身内と遊んでいる感があるので安心して見ていられます。
にしめのように、動物でも察することはせずはっきり言わないと伝わらない子がいること、そしてカマンのように、自分がそうだから相手もそうだろうという思い込みや察してよという苛立ちは、人間関係も同じことがありますよね。
猫同士のことについては、人が介入した方が良い場合と猫同士に任せた方が良い場合があります。さらに、介入した方が良い場合でも介入度合いはそれぞれ違います。猫同士の関係、人と猫の関係、それぞれの性格、その時の状況――全てを把握した上でのことなので、けっこうデリケートなのかもしれません。
こちらも二匹のお気に入りスポット
ところで猫は所有への執着心が無く譲り合うという記事をどこかで読んだことがありますが、カマンは少数派なのでしょうか?
うちの猫たちを観察していると、一日の行動と居場所が決まっている子と誰かしらの傍にいつもいる居場所に決まりの無い子がいます。居場所が決まっている子の場合も、一日中同じ場所にはおらず移動する先が決まっている子と、一日中同じ場所がお気に入りの子がいます。
移動派の猫たちを見ていると、日当たりや室温、風通しによって移動しているように感じました。
観察してみると猫それぞれの個性に感動するほどでしたが、皆さんのお家の猫さんはどうですか?
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
ふーん……ネコちゃんの世界も、人間と同じようなことがあるんですねぇ。
ただ単に気ままに生きてるだけじゃなくて。
大変勉強になりました。
by nao 2022-06-10 18:55
人間関係と同じように、猫関係も色々あるのですね!我が家は1匹だけなので、猫関係はわからないですが、家族に対する接し方が違うので、ちゃんと見ているんだなーと、感心します。
寝室の話も興味深かったです。ウチの子は、リビングに誰かいると、見守るかのように、最後の1人が寝室に行くまで一緒にリビングにいます。優しいな、ってホッコリします。
by みみ 2022-06-10 20:56
1匹だけで飼っていた時には気付かなかった先住猫の秘められた性格が浮き彫りになったり、多頭飼いならではの悩み(ウマが合う合わないから始まり、細かいことまで)が増えましたが、猫さん個々の性格の違いと向き合いながら飼い主も勉強しながら成長させてもらってます。
by マム 2022-06-10 21:52
うちも以前は仲良かった子たちが なぜか1匹だけを必要に追いかけるようになりました
それが原因かどうかわかりませんが 追いかけられた子はあちこちにチッコをするようになりました
原因がわからないかなと色々と詮索中です
どうしたものか?
by 希帝 2022-06-10 22:26
なんと!本物の椅子だった。それも二つ占有とは。気を付けないと『どうして?』って一方的に注意するかも。猫事情があるんですね。
私が今一緒に暮らしているのは兄弟猫ですが、数か月かけてやっと慣れてくれた小さい子を撫でていると、大きな子が割り込んできて邪魔をします。ベッドに上がってくるのを邪魔したりすることもあるので、この子たちにも同じような会話があるのかもしれませんね。
by 茶磨 2022-06-12 22:59
>nao様
猫の世界もいろいろあるようです☆
by 岩津 2022-06-14 14:07
>みみ様
接し方の違い、確かにありますね!
最後まで、守り猫さんですね。
by 岩津 2022-06-14 14:10
>マム様
2匹目、その次とお迎えすると先住猫の知らなかった部分が浮き彫りになることがありますよね。
こんな面があったの!とそれもまた愛し♡です。
by 岩津 2022-06-14 14:12
>希帝様
同じご相談、実はけっこうあります。
理由は様々ですが積年の思いが何かのきっかけで出たり、加齢と共に性格のクセ?が強くなったり…
お近くのアニマルコミュニケーターさんにご相談されるのも解決方法の一つかと思います^_^
by 岩津 2022-06-14 14:16
茶磨様
リアルな椅子でした!笑
ついつい攻撃する方を責めてしまいがちですが、それが更に関係を悪化させる原因になり兼ねないので、先入観や思い込みなくフラットに家族を見ることも大切ですよね(*^_^*)
by 岩津 2022-06-14 14:20