ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2023年01月10日

ようこそわが家へ

しょうたくんとあやかちゃん兄妹のおうちでは、新入り家族2匹と共に、楽しいお正月を迎えました。

1.jpg

リクくんです。

2.jpg

ソラくんくんです。

3.jpg

2匹は仲良し兄弟。リクくんの方が好奇心旺盛で、ソラくんの方がビビリなんですって。ごらんの通り、目が白濁していて視力に少し障害があるのは、子猫の時に猫風邪をこじらせた後遺症です。保護されたときは、生きるかどうかさえ危ぶまれた命でした。

2匹は、昨年6月初めに、南房総で保護活動を続けるドリームキャットにより保護された多頭飼育崩壊現場の子猫4きょうだいのうちの2匹です。

高齢の女性が亡くなり、遠方に暮らす親族が家を訪れてびっくり。成猫が10数匹うじゃうじゃいたのです。相談を受けたドリームキャットが、避妊去勢手術の手伝いに向かったところ、室内には、蓋をした段ボールの中に子猫が4匹。猫風邪が重症化して目はぐじゅぐじゅ、命は消えかかっていました。親族はその子たちに向かってこう言い放ちました。「早く死んじゃいな。保健所で引き取ってくれなくて困ってるんだよ」と。
ドリームキャットでは、即緊急保護。手当を尽くしましたが、目に後遺症は残りました。後遺症が軽い2匹は譲渡先が決まりましたが、後遺症の重い方の2匹は、なかなか譲渡先が決まらず。「2匹に会いたい」という声がかかったのは、保護後4カ月たった昨年10月のことでした。

4.jpg

ドリームキャットでは、「目にかなり後遺症のある子たちです」と伝えましたが、返事はこうでした。
「(いわゆる)見た目なんか気にしません。とにかくあの子たちが可愛いと思ったんです」
そう言ったのは、しょうた君たちのパパでした。「猫を飼いたいね」と言い出したのはパパ。初めて迎える猫を、あれこれ探していたのです。
「譲渡会にも2回行きましたが、この子を家族に!と思うまでの子に巡りあえずにいました。ドリームキャットのHPでずっと気になっていた兄弟の2匹になかなかおうちが決まらないのを知り、会いに行こうと」
パパが「会いに行きたい猫がいるんだけど、その子たちは目に障害があって、見た目がちょっと気になるかもしれないんだけどね、とにかく可愛いんだ」と話すと、ママも子どもたちも、写真を見ないうちから賛成。
初対面の感想は、「めちゃ可愛かった!!」と、しょうた君もあやかちゃんも声を揃えます。

5.jpg

やってきて、ビビりのソラくんの方は、数日引き出しの中にこもってしまいましたが、リクくんは普通にくつろいでいたとか。

6.jpg

とにかく初めての猫。しょうた君は、しつこくして嫌われないように、猫の方からやってきてくれるのを待ってじっと見ていたら、パパからこんなことを言われてしまいました。「それ、圧をかけてるよ」

7.jpg

やってきて2か月。推定生後9か月となった2匹は体力もつき、毎日元気に遊び回っています。目に残った障害は、日常生活には何も問題なし。危なそうなものは、隣の部屋に片づけてもらい、居間は猫たちの自遊空間です。

8.jpg

ひらひら飛ぶオモチャの行方も逃しません。

9.jpg

ほら、見事にキャッチ!

10.jpg

フェリシモグッズの上でくつろぐリクくん。

11.jpg

どんな時、猫がいてよかったって思う?とふたりに聞いてみました。
「座ってて、ひざの上に来てくれるとき」
「脚の間に入ってくれるとき」だそうです。

12.jpg

「可愛くてたまりません」とパパとママ。
どの猫も持っている見た目なんかではないありのままの可愛さと個性、命の愛おしさを知っているパパママのもとで育つ子どもたちも猫たちも、幸せだなあとしみじみ思った取材でした。

13.jpg

2023年も、幸せな猫物語をご紹介していきます。次週は、4きょうだいのうちの、先にもらわれていった2匹のご紹介です。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

P9210072-2.jpg
猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

yorisoiatte.jpg
寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

nekodatte200-290.jpg
猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

satoyamanoko.jpg
里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

shiawaseni.jpg
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

Instagram

カテゴリ: 道ばた猫日記
  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

心温まる素敵なお話に、新年早々またうるうるしてしまいました。
心の目で見れば、どんなハンディがあっても、いやハンディがあるからこそ、より一層可愛いと思えるのかもしれませんね(^o^)
「早く死んじゃいな」は衝撃的な言葉ではありましたが、ご親族がドリームキャットさんに相談してくださって本当に良かったです…
リクくんにもソラくんにも、こんな素敵な家族ができたのですからo(^o^)o

以前のブログに佐竹さんが書いておられたように、『ネコは天下の回りもの♪』と、福を呼ぶ保護ネコさんをみんなが取り合う!(笑)くらいの世の中になるといいなあ~と夢みてます!
(こんな夢をイマジンしているのは、きっと私1人だけではないはず。。。)

by ぴっころ 2023-01-10 14:15

ドリームキャットの緊急保護に救われたリクくんソラくん、幼いころのひ弱な雰囲気はも早ない。本当によく育っている。しょうた君家族皆の愛を全身に受けて、甘える毎日なのだろう。ネコ達と一緒の明るいご家族に、今年も一層の幸せが訪れますように。

by Y.M 2023-01-10 16:46

リクくん、ソラくん幸せになれたね。
見た目なんか関係ないと思っていても、なかなか受け入れてもらえない...
パパさんの「とにかく可愛いんだ」なんていい言葉でしょう。
寒空の下、お外の猫さんたちに幸せな出会いがあることを願います。
本年も良いお話を期待しています。

by ヤンヤン 2023-01-10 18:57

いたいけな、不安げな子猫時代と、今の安心して落ち着いた様子。家族として迎えられた幸せに、心が暖かくなりました。
写真に写るオモチャやグッズにも、とても愛されているなぁと感じます。茉莉子さん、新年にぴったりのお話しありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
今、うちの年寄り猫さんが、テーブルの箸を盛大に床にぶちまけました。こら!!と叫びながら、笑いが止まりません。ソラくん、リクくんのびのび育ってね。

by ちぃ 2023-01-10 20:46

明けましておめでとうございます。
今年も色んな猫ちゃんに会えるのを楽しみにしています。

わが家も両目が瞬膜に覆われた3才位の女のコを保護し、光りがわかる位でしたが、13才ま
で何不自由なく元気に猫生を送りました。
ただ、危なかったり新しい物があると指でコツコツと教えてあげました。

リクくんとソラくんも、優しいご家族の元で、幸せに過ごしてくださいね。

by チセママ 2023-01-11 10:59

なんてステキなご家族でしょう。とにかくかわいいんだ、というパパの言葉、写真も見ないで賛成して会いに行ったママと子どもたち。
赤い糸で結ばれていたんですね。
目の見えない猫さんと暮らしたことがありますが、日常生活は全く不自由なく暮らしていました。今も2歳のたっくんは目があまり見えませんが、元気いっぱい家の中を走りまわり、椅子の上からテーブルに上がれるようになりました。ほんとうは上がってはいけない、と他の猫には教えていたのですが…わぁー上がれたね〜と褒めてしまいました(笑)
新年からほっこりしあわせなお話と写真。
ありがとうございます!!
今年もよろしくお願い致します。

by ruineko 2023-01-12 07:49

>ぴっころさん

本当に同感です!
福を呼ぶ保護猫をみんなが取り合うくらいの世の中に早くなればいいのにって。

by 道ばた猫 2023-01-12 13:20

>Y.Mさん

まさに日当たりのいい家族という感じで、この上ないおうちに迎えられた2匹と思いました。
揃って長生きしますように!

by 道ばた猫 2023-01-12 13:22

>ヤンヤンさん

ドリームキャットさんも「あの子たちが幸せにあって、本当にうれしい」とおっしゃってました。
日々の活動、本当に頭が下がります。

by 道ばた猫 2023-01-12 13:24

>ちぃさん

テーブルの箸を盛大にぶちまけて、コラと笑いながら叱られる平和な(笑)シーンを想像して、思わずクスリ。今年もよろしく。

by 道ばた猫 2023-01-12 13:27

>チセママさん

全盲の猫さんも何件か取材しましたが、家猫である限り、ちっとも不便ではないんですよね。チセママさんちの福ちゃんも愛されて幸せでしたね!

by 道ばた猫 2023-01-12 13:30

感動して泣きながら記事を見ました。我が家にも猫ちゃんいますが、すごくすごく愛おしくて、一緒に暮らすと、本当に家族の一員で、宝物です。どんな姿でも、どんな姿になろうとも、大切にしていきたいと改めて思いました!

by みみ 2023-01-12 21:03

うれしい、うれしい!なんて素敵な家族のもとにいったのでしょう。元の親族の人の「早く死んじゃいな」はショックを受ける言葉です。
今はどの子も幸せいっぱいでみていて気持ちよくてうれしいです。とっても可愛い!!
ほんとうによかったね(^-^)

by とも 2023-01-13 07:44

>ruinekoさん

わあ、たっくん、テーブルに上がれるようになったんですね。でかした!(笑)。
さくらちゃんとの暮らしで刺激をもらったのかな?

by 道ばた猫 2023-01-13 10:18

>みみさん

うちにも、猫エイズの子やら、白血病の子やら、てんかんの子やら、顔面怖いのやら、ありとあらゆる個性派たちがやってきましたが、どの子もどの子もたまらなく可愛かったです!

by 道ばた猫 2023-01-19 10:42

>ともさん

ね! ほんと、ずーーと見てたくなりますよね、幸せな猫って。
どこもかしこも幸せな猫で、みんながニコニコ。そんな社会になりますように。

by 道ばた猫 2023-01-19 10:45