[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

ずっと会いたかったボタンちゃんにやっと会えました！
まん丸な目と、黒い鼻先と、口元の大きなほくろが、なんてチャーミングなんでしょう。



ボタンちゃん、と呼んだら、小さく「にゃっ」と返事をしてくれました。
「いらっしゃいませ」のご挨拶です。
ここは、隠れ家的イタリアンのお店。やってくるのは3度目。いつも取材などの帰りに立ち寄るので、日没前くらいの時間になり、コーヒーとサンドウィッチなどを注文します。
去年の夏にたまたまこの道を通りかかって、お店の前のこのプレートを見つけ、「ボタンちゃんって誰？」と、すごく気になって入店したのです。



田園風景の中に、ポツンとたたずむ平屋建て一軒家のお店。この場所でイタリアンというだけでも驚きでしたが、店内いたるところに手描きの「猫」の張り紙が！



極め付きは、メニューにこんなことが書いてあるのです。



「松ちゃんシェフは、ネコちゃんが大好きニャン！！」
これは、相当です......！！



あっ、猫時計の下に白黒猫の写真発見。
で、カラフルな美濃焼のお皿でとてもおいしいサンドイッチを食べた後に、そっとシェフに尋ねました。「ボタンちゃんって、シェフの猫さんなんですか？」
松ちゃんシェフ、マスクの下からもはっきりわかるほど、相好を崩して、「はい。可愛い子なんですよ」と。店裏の一面の田んぼの真ん中にある小川のそばがお気に入りで、今散歩に出ているとのこと。店の奥がご自宅で、お客さんが少ない時にたまに顔を出すことがあるとのことで、いつか出会うことを楽しみにしていたのです。

2回目に立ち寄ったのは、11月。その時も「さっきまでお昼寝をしていて、散歩に出ていきました」とすれ違い。店裏の小川を含む広大な田園は、ボタンちゃん専用のお庭のようなもので、探してもまず見つからないとのこと。
この前、立ち寄ってみたときも「昼からずっと寝ています」とのことでしたが、パスタをいただいていたら、シェフが「ほら、ボタンちゃんが来ましたよ！」



おお、絵にそっくりの利発そうな猫さん！
ボタンちゃん、女の子とばかり思っていましたが、男の子と判明。5歳だそうです。
松ちゃんシェフは東京にお住まいでしたが、イタリアンの修業を積んだ後、10年前にこの地で開店。自然豊かな場所なので「モモンガの森」と名付けました。
ボタンちゃんは、5年前に東京のお兄さんの庭に迷い込んだノラの子でした。
お兄さんは猫が飼えず、困って弟とお母さんが住むこの家に子猫を持ち込みます。
「困り果てましたよ。母が絶対に猫は受け付けない人だったので。ところが、子猫としばし対面していた母が子猫にこう言ったんです。「今日からうちの家族ね。よろしくね」って」
お母さんに気に入られた子猫は、目がボタンのようにまん丸だったので「ボタン」という名になりました。



お母さまとボタンちゃんは数年仲良く暮らし、お母さまは天国へ。
今では、ボタンちゃんはシェフのなくてはならない人生の相棒です。
「猫って、どうしてこんなにかわいいんでしょうねえ」と、松ちゃんシェフ。
「ボタンだけじゃなく、どの子もどの子も可愛くてたまりません」



「僕も、好きなことやって自由に生きてきましたからね、ボタンともお互いに干渉しすぎないない関係です」
どちらが出かけてても、帰ってきたときに「どこに行ってたの」は、けっして聞かないのだとか。
とはいえ、シェフはボタンちゃんがいない世界なんて考えられないそうで「死ぬのは、僕が亡くなった2日後にしなさいね」と約束しているのだとか。



椅子の上から外を眺めていたボタンちゃん。私の目線に気づき、「さっきから何見てんのさ」



外に回って写真を撮る私に呆れた表情です。「相当の猫好きだね」



そんな、松ちゃんシェフのお味と、ボタンちゃんの魅力にひかれたおなじみさんからのメッセージが壁にいっぱい。



大きな窓からは、四季折々の田園風景が楽しめます。今度は晴れた日中に来て、ランチを食べながら、窓外の雲を眺めたいと思います。ボタンちゃん、またね！

※トラットリア　モモンガの森
　千葉県柏市高柳123-2
　月曜日定休

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
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