[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

ちゃたおくんは、金色に近いきれいな毛並みのチャトラ男子。推定年齢5～6歳の男盛りです。


彼は、埼玉県東松山市にあるお蕎麦屋さんの、知る人ぞ知る看板猫です。


お天気のよい日は、たいてい店先で、ゴロンゴロンしています。
ちゃたおくんのお店は、町中から離れたぽっかりとのどかな場所にあるのです。
それにしても、このムチムチ度！


おまけに、人が大好きで愛想がいいので、「ちゃたおくんに会いに来ました～」というなじみ客がたくさん。もちろん、おそばのおいしさは、ピカイチです。最上級の鰹節だけでだしをとったつゆでいただく、これまた最上級のそば粉の手打ちそばは、遠くても通いたくなります。


ちゃたおくんは、いらっしゃいませをした後は、お客さんの食べている間はじゃまをしません。食べ終わると、そっと足元にきてくれるかも。


ちゃたおくんは、もともと近所の借家住まいの方にご飯をもらっていた外猫。このお店のご夫妻の飼っている三毛の「きなこちゃん」に恋して、目の前の原っぱを横切って通ってきていたのですが、きなこちゃんが嫌がるので、ご夫妻に追い払われていた身でした。ところが、借家のかたが引っ越して、ちゃたおくんは置き去りに。
可愛そうに思った夫妻は、ちゃたおくんを去勢手術して、家猫に迎えようとします。
ところが、きなこちゃんの拒絶反応たるや、すさまじく。
きなこちゃんは２階、ちゃたおくんは１階のお店周りと、住み分けることに。


2階のベランダの手すりにまたがって、原っぱの方を見渡す、きなこちゃん。
ご夫妻曰く、「気が強くって、うちの女王様」だそうです。
きなこちゃんだって、もともとは、近所に神社に捨てられていた子猫の時、お母さんに拾われた子。先住のあずきくんに面倒を見てもらって大きくなりました。
「あずきは、先代の菊次郎が亡くなったすぐ後にやってきた、菊次郎うり二つの子だったんですよ」と、ご主人。菊次郎くんは無鉄砲な性格で、不慮の事故で亡くなったため、「ビビリになって生まれ変わってまたおいで」と見送ったら、見た目はそっくりでビビリのあずきくんがあらわれたそうな。


あずき君、11歳。おいしい鰹節をおやつにもらいながら、2階できなこちゃんと平和に暮らしています。


きなこちゃんとあずきくんは、ちゃたおくんが店内にいないときを見計らって、ときどき店に顔を出すそうです。


きなこちゃんには嫌われちゃったけど、ちゃたおくんはファンがいっぱいできて、看板猫暮らしも楽しそう。 自慢は、往年の名関脇安芸乃島を思わせる（古い！）この肩甲骨。猫はすんなりした撫で肩ばかりと思っているかたには、ちょっとした衝撃です。


「原っぱから草を分けて帰ってくる姿は、黄色いクマが現れたかと思うよね」
「走ると、ドスンドスン音が聞こえるようだもんね」と、笑い合うご夫妻。


お店と庭と、目の前の原っぱが自分の縄張りと心得ているちゃたおくん、ご主人が呼べば、すぐ飛んで帰ります。そして、閉店後は、お父さんから大好きなブラッシングに、おやつタイム。
愛されてます。




お店の暖簾も、窓ガラスも、電話も、三毛猫柄という遊び心あふれるアットホームなお店です。
最近、ちゃたおくんは、ほんの少しきなこちゃんとの距離が縮んだとか。きなこちゃんとは別室だけど、2階でお母さんと一緒に寝るようにもなりました。一晩中ゴロゴロゴロゴロ大音量で、お母さんを参らせたそうですが。
あずきくんきなこちゃんと、少しずつ仲良くなれるといいね。


「おいしいおそばを食べに来てね。ぼくはいつでもいるからね」
ちなみに、ちゃたおくんの本名は、「茶田・マイケル・寅男」というんですって。

※蕎麦屋やまだ商店一掌庵
　埼玉県東松山市石橋３４４
月～金曜　11:30～14:30（ラストオーダー14時まで）