フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:滝上町餌やり多頭半野良犬現場
2022年10月、北海道北部の滝上町から餌やりされている半野犬の子犬8頭を保護しました。
滝上町は、当会から車で片道3時間ほどの周囲を山脈に囲まれた盆地特有の寒暖の差が激しい地域で、10月でも朝晩の寒さが厳しい地理状況です。
元々この案件は、2020年5月に犬が車道に出てきて危ないとドライバーの方から当会に通報が入ったことがきっかけでした。行政機関の方と現地調査を行って、状況を把握したうえで保護を行い、2021年3月末までに成犬20頭と子犬49頭を保護し譲渡しました。まだ成犬7頭に出会いがなく当会で暮らしています。
この案件では、現地の犬の個体表を作り、それを基にして保護を行っていましたが、どうしても捕獲出来ない未不妊のメス1頭とオス5頭ほどが残っているため、捕獲機を常設し定期的に現地に視察に行っていました。
特に残った1頭のメスを何としても捕獲したいのですが、非常に警戒心が強く、ボス犬と常に行動を共にしていて、どうしても捕獲機のそばに寄ってくれません。
昨春からも、子犬が産まれないかずっと警戒していたのですが、約1年半は子犬が産まれた形跡はありませんでした。
しかし、とうとう今秋に8頭が産まれたと餌やりしている飼い主から連絡が入りました。
産まれた子犬の命は尊いです。しかし、行き場を失う命を生み出さないためには、まずは蛇口を閉めなければなりません。そのためには、繁殖を止めることが重要です。
また現地の厳しい環境で子犬が生き延びるのは、極めて困難なことなのです。
1回目は、10月14日、オス5頭とメス1頭の6頭を保護しました。子犬たちは廃屋の縁の下にいたため床の板をはがしてキャリーに匂いの強いフードを置いて誘い出し、夜遅くまでかかって保護しました。しかし、8頭のうち臆病な2頭は警戒心が強く捕まえることが出来ず、この日は断念しました。
5日後の10月19日(水)、夜遅くなるまで粘って残ったオスとメスの計2頭をやっと保護してきました。子犬たちは2か月弱で9月の初めに産まれたと思われました。
子犬たちは、母犬と縁の下をねぐらにしていたようですが、ノミやシラミ、ダニもたくさんついて、お腹には回虫もいたので駆虫を行いました。また、専門学校の生徒さんが課外学習ボランティアでシャンプーして綺麗にしてくださいました。
子犬たちは、譲渡前に早期不妊手術や混合ワクチン接種、マイクロチップ装着、健康診断等も行って、社会性を養い散歩の訓練も実施、ご譲渡先の家庭訪問も終えてからご譲渡させていただいています。
滝上町の子犬たちは、人一倍怯えが強いので、当会で社会化の訓練や散歩の練習等を行うことで、飼い主さまのお宅でも比較的スムーズに適応することができています。
滝上町の子犬は臆病な子犬が多いため、社会化するのには通常より時間を要し、譲渡までにお時間がかかりますが、この先の犬生がより豊かで幸福なものになるために欠かすことのできない行程です。犬猫たちが二度と悲しい想いをしないように、お時間をかけて丁寧なご譲渡を行っております。また、飼い主さまの飼育に関するお困り事をお気軽にご相談していただけるようコミュニケーションも大切にしています。これからも一生涯幸せな犬猫を増やしていきたいです。
<ご支援くださっているみなさまへ>
全国の支援者の皆さま、いつもHOKKAIDOしっぽの会をご支援応援いただき、本当にありがとうございます。法律上動物は「命あるもの」ですが、現実は単なる物として、粗末に扱われることも多いのが現状です。全ての命が大切にされる社会はだれにとっても幸せな社会です。これからも「人と動物が幸せに共生する社会」の実現を目指して保護活動と啓発活動にも尽力してまいります。
小さな命を守るため、どうか引き続きHOKKAIDOしっぽの会をご支援応援いただけたら幸いです。
「認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会」
https://shippo.or.jp