[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

「いらっしゃい。ママから、きょうはボクの取材って聞いてたよ！」
鼻先と肉球がピンクの愛らしい猫さん、ハクくんです。



キャットウォークがぐるりと作り廻らせてある楽しそうなおうちで、のびのび暮らしています。



「やんちゃでやんちゃで...」と、ママの美紀さん。
ハクくんは「玻玖」と書くのですって。王子様のようなカッコいい名前ですね！
ハクくん、このおうちの一番の新入り。それでもって一番のやんちゃっ子。
海辺の町で保護されて、譲渡先募集のサイトでおうち募集中をパパとママに見つけてもらってやってきました。



生後3カ月くらいで、とある餌場に現れたときは、骨と皮のガリガリで、ガツガツご飯をむさぼったそうです。
頬に穴が開くケガをしていたのはほかの猫に咬まれたらしく、ひげが全部短く切られていたのは誰かのいたずらの可能性があるとの、獣医さんの見立てでした。3カ月の幼さでひもじくつらい思いをして、NPO団体の「ドリームキャット」さん経由でここにやってきたのです。
じつは、美紀さんのおうちには先住猫が4匹いて、みんな保護猫出身。
アパートからこの一軒家に越してきたときに連れてきたのが、レオ（零央）とリオ（悧央）の保護猫兄弟でした。保護子猫譲渡先募集の貼り紙を見て申し込んだところ、「その子は決まってしまいましたが他の子猫をもらっていただけませんか」と言われ、「どの子でも」と、写真も見ないうちから決めたのが、ふわふわ毛のレオくん。



きょうだいがいると聞いて、1週遅れて弟のキジトラのリオくんも迎えました。



お兄ちゃんは長毛で、弟は短毛のキジトラですが、ふたりとも男前ですね！
「お兄ちゃん！」
「お！　お前も来たのか、よかったな」といったうれしそうな再会でした。
この2匹を連れてアパートから一軒家にお引越し。駅からはちょい遠くなりましたが、大家さんが多頭飼いやDIYに理解があって、間取りも増えたところに、農家の納屋で生まれ「飼育放棄された子猫」のツイッターを目にします。その子猫たちのうち、一番やんちゃな女の子をもらいました。



それが、キジ白のトワ（十倭）ちゃん。
想像以上のやんちゃ娘で、教育係のレオリオ兄弟もお手上げ。「お前が相手しろよ」と譲り合う始末。
それで、トワちゃんの遊び相手を探し、近所から年の近い黒猫ジュジュ（寿々）ちゃんを迎えました。



仲良し女子組のトワちゃんが先におとなになっておとなしくなったところで、ジュジュちゃんの相手を探し始めたところ、海辺の町で保護されたハクくんの写真が目に飛び込んできたのでした。パパは、ハクくんの写真を見た瞬間、「あ、ここ子はうちに来ることになるな。名前はハク」と、運命を感じたそうです。



で、やってきたハクくん、写真で見たときは、ちょっと寂し気な印象だったのですが、これまた、ものすごいやんちゃ坊主。
ジュジュちゃんが優しいお姉ちゃんとなりました。



ジュジュちゃんは2歳で、ハクくんは6カ月ですが、もう大きさは同じです。ハクくん、立派な大猫になるかも。



5匹を次々迎えた多頭飼いで、こんなにみんな仲良くしている秘訣は何でしょう？



一つには、猫さんファーストの部屋作り。
パパのお手製のキャットウォークや、ママお手製の段ボールハウスなど、いたるところに愛情こもった工夫がありますから、思い思いに好きな場所でくつろげます。



2つ目は、ボス猫レオの猫徳。
どんな猫がやってきても、ボスが新入りと認めると、みんな従うのです。
そして、3つ目は、美紀ママはしょっちゅう猫たちに話しかけていること。
新しい猫を迎えに行くときは、こう言います。
「これからパパとママは新入りちゃんを迎えに行ってくるよ。仲良くしてやってね」
取材の日も、こう言い聞かせたそうです。
「ハクちゃんの取材があるけど、みんな協力してあげてね」
ちゃんとお話し伝わってました！
普段は来客にピンポンダッシュで姿をくらます猫たちが全員写真を撮らせてくれましたから。



美紀さんは言います。
「5匹、大変じゃないです。みんな性格違ってみんな可愛くて、毎日楽しい。5匹で仲良く過ごしてくれるので仕事中の留守番も安心です。猫って不思議。それまで暴れていた末っ子が、新入りが来るときまっていいお兄ちゃんお姉ちゃんになるんです」
「いやいや、それは無限のループになるから」と、パパには釘を刺されているそうですが。



さんざん遊び回って、ママのお膝でうつらうつらし始めたハクくん。
ひもじかった日々は遠い過去のこと。楽しいおうちにもらわれてよかったね！！

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！