みにゃさま、こんにちは。
今回は、3年ぶりに再開した「訪問アニマルコミュニケーション」にご応募頂いたTさんのお宅に行ってまいりました。ご相談はこちらです。
ももちゃん 猫 女のコ 10歳ぐらい
高齢者宅で飼われていたのに外で保護され、うちに来たももちゃん。
過去のことはまだ思い出すことがあるのでしょうか。
そして、最近、あらたにマンションの敷地内で猫を保護してしまい、隔離はしているものの、気に入らないと思うのですが、その子にはちゃんとお家を見つけてあげるので、それまでは存在を許してあげてほしいと、伝えたいのです。
こちらは8年前、Tさんの目に入ったももちゃんの里親募集写真です。ここからももちゃんとの時間が始まりました。
ももちゃん里親募集サイトより
ももちゃんは、首輪とリードを付けた状態で保護主さんの住む近所の公園に現れました。
迷い猫に違いないと保護し幸いすぐに飼い主さんは見つかったのですが、飼っていたのはペット禁止住宅に住む認知症を患った80代の女性でした。この現状から保護主さんはももちゃんの今後を思い、離れて住む飼い主さんの娘さんと話し合いました。しかし、娘さんは引き取れないとのことだったので、保護主さんがももちゃんを譲り受けることとなりました。
そして、そんなももちゃんの里親募集サイトの写真を見てピンときたTさんが、ももちゃんに会いに行ったのです。
当時、ももちゃんは保護猫カフェで暮らしていたのですが、Tさんにはももちゃんがどこか居心地悪そうに見えました。それまで猫と暮らしたことがなかったTさんはそんなももちゃんが気になり、里親に申し出て無事審査に通ったのです。
ももちゃんをなるべく早く迎えたいという思いから急いで準備を進めましたが、注文した猫トイレだけがなかなか届かず、ももちゃんをお迎えできたのはトイレが届いた2週間後のことでした。
猫初心者だったTさんとももちゃんの暮らしは今年で8年。
ももちゃんは白黒はっきりした、しっかり者の姉御肌。これまでの手厳しいエピソードを聞いていると、8年という歳月をかけ、Tさんとももちゃんというふたつの石のかけらが擦れあうことで角が取れ、丸みを帯びた温かみのある石になりつつあるようです。もしかするとそんなふたつの石は、ふたつでひとつのまん丸の石になろうとしているのかもしれません。
そんなももちゃんに、「こんにちは、ももちゃん。今日はよろしくね。」とご挨拶をすると、事情は伝わっていたのにも関わらず、
「何しに来たん? もう帰る?」と、さっそくおいとまを勧められました(笑)。
幸い威嚇のシャーは無かったので一安心ですが、「さっさと用事済ませてよね。」と言わんばかり。
さっさと、ということなのでさっそくTさんが気にしておられる前の飼い主さんについて単刀直入に聞いてみると、
「その話はいいわ。話してもしょうがないでしょ。」ときっぱり。
Tさんは苦笑しつつ、ももちゃんらしいこのお返事に納得されたのでこの話はこれでおしまい!
普段のももちゃんを少し覗いてみましたが、前の飼い主さんを思っている様子はありませんでした。
ももちゃんからTさんへの要望やメッセージがないか聞いてみると、
「いや......、別に......。」と、少し戸惑い、照れも見え隠れ。
ほんとに無い? と念を押すと、
「しつこいな。無い!」と、ちょっとご機嫌ななめになってしまいました。
ももちゃんは、身内や自分自身のことを話すのは苦手のようで、素直な感情表現はももちゃんの性に合わないのです。自分らしくないことはしたくないのよね、ももちゃん。
Tさんがこの冬初めて腕枕でももちゃんが寝てくれたことを嬉しそうに話されると、
「内情言うな!」とももちゃん。(間髪入れない合いの手のような一言に笑ってしまいました)
同居8年目にして腕枕で一緒に眠るという、Tさんにとってはこの上なく嬉しい出来事。私も猫と暮らしているのでその喜びはよくよくわかります。ももちゃんにとっても幸せな時間ですが、絶対に他人に知られたくなかったのです。
これに続き、Tさんが数々の愛しいエピソードを話されていると、
「いっぱしの猫みたいに言うな!」と切れるももちゃん。
「いっぱし」とは人並みや一人前という意味ですが、これは「そんな話をしたら、そこいらの猫と同じように思われるでしょ!」という意味で言ったのです。つまり、猫らしいかわいさが詰まったエピソードは、普通の猫と思われてしまうので癪(しゃく)に障るというわけです。猫らしいイメージなんてこれぽっちも要らない、特別でいたいももちゃんなのです。
そんなももちゃんとTさんの日常に、突如一匹の猫が加わったのが今年3月――。
Tさんの住むマンションの敷地内で猫の大きな鳴き声が聞こえ、高い場所から猫が顔を出しているのを見つけました。
18年住んでいて敷地内や近所を含め、猫を見るのは初めてのこと。
それぐらい猫を見かけない地域なので、迷い猫か捨てられたのかとTさんは考えましたが、危険なのでまずは保護をしようと猫の捕獲のプロにお願いし、翌日無事保護に至りました。
すぐに病院で診てもらいましたが、幸い怪我や病気はありませんでした。推定1歳の男の子とのこと。酷く痩せ汚れた体は毛玉だらけ。肉球もカチカチだったことから、長い間放浪していたのでしょうと獣医さんに言われました。
しばらく動物病院で預かってもらい、マンション住人の飼い猫ではないかと飼い主を探しましたが、飼い主は見つからず迷い猫でもありませんでした。
Tさんのマンションは、「ペットは1頭(匹)まで」という規約。マンションに許可を得て里親さんが見つかるまで同居ということになりました。
命名シナモン。シナモンを買いに行った日の出来事だったのが由来です。
ももちゃんは他の猫との同居は難しいと判断したTさんは、シナモン君を迎えてすぐに別室に連れて行き、ももちゃんとは会わせないよう配慮をしたのですが、お迎えから1日半、ももちゃんはTさんに怒りのパンチ攻撃を続けました。
その時の事をももちゃんに聞いてみると、
「あの時は本当にびっくりした。あんな愚行をするとは。」とのこと。
「なんて馬鹿なことをしてくれたんだ、あんたって人は! 情けない!」と呆れと怒りで叱りに叱りつけた1日半だったそうです。
まるでTさんへのしつけです。
この日から3ヵ月経ちましたが、シナモン君のことをどう思っているのか尋ねると、
「どうもこうも。」というお返事。
3ヵ月前はシナモン君の存在が気になり終始落ち着きませんでしたが、現在のストレスはあの頃よりは軽減したそうです。
シナモン君の事情はよくわかっていて、
「仕方ないのはわかってる。だけどここはダメだな。私が居るから他を当たってよ。」とももちゃん。
シナモン君の新しい家族がまだ見つからないことも分かっているので、居候は仕方ないと思ってはいるものの、他猫との同居が性に合わないももちゃんは我慢せざるを得ません。
「じゃあもう話はいいかな?さっさと入って帰ったら?」と、シナモン君のお部屋に入って取材を終えて帰るよう促されました。
ということで、ももちゃんのご要望通りシナモン君に会って帰るとしましょう!
保護直後の動物病院でのシナモン君
後編に続きます。
フェリシモ猫部からのお知らせです。
「岩津さんに聞く!」コーナーのブログ更新は、月一回、第二金曜日です。 次回のブログは7月14日(金)の公開予定です。
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【訪問アニマルコミュニケーション再開のお知らせ】
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
ももちゃん、なんだか、うちの姫に似てます。
はっきりしているところとか、私たちをしつけようとするところとか。後編拝見するのが楽しみです。
by おみかん 2023-06-09 12:09
その節はありがとうございました。ももちゃんもシナモンも変わりなく暮らしていますが、ももちゃんはいっそう表情豊かになった気がします。
後編も楽しみにしています。
by ももちゃんち 2023-06-09 17:40
おみかん様
お姉様気質の猫さんは種を超えて誰にでも平等にしつけるのかもしれません(=^・^=)
by 岩津 2023-06-12 20:42
ももちゃんち様
こちらこそありがとうございました!
表情豊かなももちゃん姉御を拝見したいですが、きっと他人に見られるのはイヤだと思うので想像します♪
by 岩津 2023-06-12 20:45
写真の表情にまんま感情が出てて笑いました。
強情っぱりな猫さんですね^^
そんなところが可愛いいのでしょうね。
by 通りすがり 2023-06-13 00:16
通りすがり様
お顔はそのままが出ますね^_^
強気な姉御ですがあったかい面もあるももちゃんです♡
by 岩津 2023-06-13 13:00