[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

お花ちゃんは、推定8カ月のやんちゃ娘。



ちょっとやそっとのやんちゃ娘ではありません。
人間大好き。おしゃべり大好き。遊ぶの大好き。



毎日おもしろいことを見つけては、ほら、こんなに表情豊か！



小嶋家にきて、2か月。
「オモチャはすべて壊しました。段ボールもかじりつくしました。で、今、一番気に入っているのがビニールを丸めた安上がりのオモチャなんです」と、飼い主の小嶋さんは、可愛くて可愛くてたまらない様子。
じつは、私はお花ちゃんと今年2月に出会っています。
市川駅近くの「JAM美容室」の店内です。
「ものすごくやんちゃな女の子を引き受けちゃって」と、店長ご夫妻。
大晦日、お客さんから「犬の散歩の道で、ひとりぽっちで鳴いていた子猫を保護したのだけど、うちでは飼えないので預かってもらえないか」という相談でした。
美容室では、これまで、たくさんの子猫を店内に保護したり預かったりして、譲渡につなげてきました。
が、大晦日で明日からお正月休み。店内に預かることはできません。おまけに、「プリティー」ちゃんという老いた店猫の容体が悪く病院通いが続いている真っ最中。
「一度は断ろうと思ったのですが......」と店長。思い直して、行き場のない子猫を預かったのでした。



「すずね」ちゃんという仮の名をつけられた、生後4カ月くらいのその黒猫さんは、自分の鼻水を舐めながら、ピカピカの目で店内を遊び回っていました。黒猫の子猫を欲しいという人が見つかったということでした。



でも、すずねちゃんはトライアル先から戻ってきました。 「遊んで遊んで」が激しくて、先住猫さんがへとへとになったとのことでした。



譲渡先が決まるまでの遊び相手を再び店内で引き受けたのは、店長宅から通ってくる、独眼「マサムネ」くんでした。気のいい大猫マサ君は、どんな猫にもフレンドリー。
ところが、そのマサ君も、やんちゃ娘のお相手で、グロッキーに。
そんなとき、「うちの子に」という声がかかったのでした。
声をかけた小嶋さんは、お母様と二人暮らし。
仮の名「すずねちゃん」は「お花ちゃん」になりました。
小嶋さんが最初に拾った子は、都内深川に住んでいた高校生の時。学校からの帰り道で出会った子猫の「五右衛門」くんでした。お父さんに「ダメ」と言われ、荷物をまとめ、五右衛門を連れて家出を決行。サイクリングロードにしゃがみこんで途方に暮れているところをお姉さんが探しあててくれて、こう言いました。
「お父さんがOKだって」。
この五右衛門君を初代に、豆ちゃん、小梅ちゃんと、迷い猫拾い猫が続き、小梅ちゃん亡きあと、しばらく猫のいない生活となりましたが、「やっぱり猫のいない暮らしはさびしくて」。



トライアルを申し込んだとき、JAM美容室さんからは「ものすごくおしゃべりな子ですが、大丈夫ですか」と念を押されたそうです。



やってきたやんちゃ娘は、猫のいない暮らしの味気無さを補うに余りありました。
「もう可愛くて可愛くて」と、小嶋さんもお母様も目を細めます。



小嶋さんがお勤めの間の日中はおひとりになるお母様の話し相手を、お花ちゃんはしっかりと務めます。
お母様は心臓に持病があるのですが、この前の定期健診で、お医者様が驚いてこうおっしゃったのだとか。
「何か、ありましたか」
数値が軒並み、とっても良くなっていたのです。
お花ちゃんを迎えたことで、よく笑いよく話し、お世話のために適度に動く暮らしがよかったようです。恐るべし、猫のチカラ。



猫の幸せは、それぞれのありのままを発揮し、ありのままを愛でてもらうこと。



そして、猫のしあわせは、飼い主のしあわせ。



マサムネくん、やんちゃ娘は、ぴったりの居場所を見つけてのびのびやってるよ。
安心してね！

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『猫との約束』
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