田んぼに囲まれた丘の上、匝瑳市の松山庭園美術館で4月から開かれていた「猫ねこ展祭り」がおととい終わりました。来館できなかった方たちのために、写真多めでご紹介しましょう(作品掲載は美術館のご承諾済み)
圧巻の迫力、粋な味わい、可憐なたたずまい、ユーモア抜群、精緻な筆......と、まさに十猫十色の力作ぞろい。たくさんの猫好きの目を楽しませてくれました。
羅羅(ララ)ちゃんは、すっかりお姉さんになって、受付もがんばりました。
黒猫智尾(ちび)ちゃんは、廊下で案内係、おつかれさま。絵の中の白猫さんとのコントラストも素敵でした。
白スケ・黒スケコンビは、1歳を超えても、仲良し兄弟。
サロンで来館者サービスを怠りませんでした(まったり寝てるだけだけど)。
20回目の「猫ねこ展」祭りだった今年。
毎回そうですが、小さな作品ながら、心にグイっとくる作品もたくさん。
2~3回くると、そのたびに、新たなお気に入りが見つかります。何しろ、400点以上の出品数ですから。
この作品は、白猫軍団の迫力もさることながら、手作りの額が凝っていて(爪とぎと、三毛模様)目が釘付けになりました。
これも小さな作品なのですが、髪をかきむしっているポーズや、目玉を描き込んでないところがシュールでユーモラス。タイトルは「絶望」。この愛らしい猫さんを「絶望」させたことって、いったい何なのでしょうか。
プイと横向く猫、斜め目線の猫。猫ってこういう表情しますよね!
これはもう、猫好きにはドンピシャのたたずまい。
ちょこん感が、たまりません。
こんな洒脱な味わいの作品も。
このポーズは、我が家の菜っぱさんもよくするので、思わずくすり。
まっすぐこっちを見つめる視線がいいですね!
やっぱり、猫の目が生き生きと描かれている作品が好きです。
これは、絵本の中の1ページのようなキュートな詩情に魅入られました。
私の出品した写真は2点とも、気に入ってくださった方がいてお買い上げでした。どなたか存じ上げませんが、房総の里山のミーちゃんと、房総の農家のルナちゃんの、ある春の日のまなざしです。猫たちがのどかに暮らせる平和への祈りを込めて出品しました。どうぞ可愛がってやってください。お心にとめていただいてありがとうございました。
平和といえば、それを何より体現しているのが、この美術館の猫たち。
どんな理屈より「平和がいちばん」と深く思わせてくれます。
4カ月年下の弟錦之介と抱き合って眠る白スケ。そっと様子を確かめに行く、わが子が大きくなっても愛情を注がずにいられない母猫ミーちゃん。
白スケのなつっこさと、ブルーの瞳の美しさは、母譲り。
あまたの優れた展示作品のどれにも負けない美しい瞳の母猫ミーちゃん。
ガリガリの子猫でここに持ち込まれてきて、小さな体で白スケ・黒スケたちを産み、美術館猫としてのマナーと心得を叩き込み、避妊手術予定の育児中に錦之介たち次の子を出産した、なかなかに逞しいミーちゃん。錦之介のきょうだいたちは、みなもらわれていきました。現在はみな手術済みなので、たぶん、錦之介が美術館最後の子です。
先住猫さんたちの勤務が気分次第な美術館で、ミーちゃんファミリーは毎日せっせと来館者接待をこなしています。母子で暮らせるしあわせをもらった恩返しでしょうか。
美術館に新しい風を吹き込んだ、逞しいミーちゃんに、私は「猫ねこ展」での「最優秀目の輝き賞」をあげたいと思います。
丘の上の猫たち賛歌。これからも毎年ずっと続きますように。
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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私は、絵も描けないし、写真を撮っても今イチ… でも、観るのは大好きです。「猫」という同じテーマで、こんなに個性的。
うちの白猫さんは、なかなかのヤンチャ娘。オッドアイをキラキラさせて、見つめてくれます。ミーちゃんもみんなも立派な美術館スタッフさんですね。
(途中で送付してしまいました。スミマセン…)
by ちぃ 2023-08-01 14:51
それぞれの作品は写実ではなく、ネコ本来の持つ雰囲気や個性等々を実にうまく表現しており、いずれの作品も味わい深く圧倒され、描かれた方々の、正に猫に対する深い愛情が伝わってきた。松山美術館のララちゃん初めネコ職員たちはみな、ますます学芸員の素養を深めているようで心強い。てんこ盛りの紹介ありがとうございました。
by Y.M 2023-08-01 17:44
今年も行けなかったので、茉莉子さんの写真とこの記事がとてもありがたかったです💞
来年は必ず行きたい ! と思いました。
作品から語りかけてくる猫たち。美術館猫たちの活き活きとした表情💞 会いに行きたいです💞 茉莉子さん、ありがとうございます♫
by ruineko 2023-08-02 05:29
松山庭園美術館、素敵ですね。猫たちと作品と景色、どれも素晴らしいですね。みていて幸せな気持ちになります。ほんとうに「平和が一番」と感じますね。きっとトゲトゲの心もこちらに行ったら丸くつるつるになりそう。
母猫ミーちゃん、なんて美しいのでしょう。そしてミーちゃんファミリーの毎日の来館者接待、いいですね。
どの作品もほんとうに素敵ですね、そして猫さんたちがまた合いますね。
必ず必ず松山庭園美術館、伺います。
by とも 2023-08-02 07:27
猫ねこ展祭り、行ってきました。
佐竹さんのミーちゃん、ルナちゃん、とても可愛らしく撮れてました。プリントで大きく見られるのもいいですね。
館内でお客様を出迎える猫ちゃん達、椅子の上で自由に寝る猫、そこには本当に平和な時間しか流れていないようです。
酷暑、水害、戦争... 物騒なことが多い中、本当に猫さん達には癒されます。
by ヤンヤン 2023-08-03 05:11
うわあ~!みんな素敵な作品ばかりですね(*^-^*)
どれも魅力的なネコさんばかりで見とれてしまいます。
これは1日では時間が足りないかも・・・
何度も訪れたくなりそうです。
そして猫スタッフさん達も愛らしいこと!
白スケくんとミーちゃんの涼やかな瞳に、ひと時の涼をもらって癒やされました。
佐竹さん、いつも元気の出るステキな記事をありがとうございます!(^^)!
来年こそは猫ねこ展祭りに行きたいです。
by ぴっころ 2023-08-03 12:11
>ちぃさん
ほんとに「猫」はいろんなアーティストに「この魅力を再現したい」と思わせますよね。
もちろん、眺めるだけでも幸せいっぱいくれます!
by 道ばた猫 2023-08-18 08:37
>Y.Mさん
私も猫の絵は写実でない方が、描き手のかたの猫に対する独自の思いがよくわかって面白いです!
写真はありのままが好き(笑)。
by 道ばた猫 2023-08-18 08:41
>ruinekoさん
年々、ユニークな力作が増えていく猫ねこ展。
それほど猫は魅力尽きない表現素材ということなんでしょうね!
by 道ばた猫 2023-08-18 08:42
>ともさん
そう、ここの魅力は、なんといっても作品、猫たち、風景の3拍子揃って猫好きを堪能させることでしょうね。ぜひ、一度!
by 道ばた猫 2023-08-18 08:45
>ヤンヤンさん
はりばる、いらしたんですね! 作品をじっくり見て、猫と戯れていたら、あっという間に数時間たってしまいますよね~。
by 道ばた猫 2023-08-18 08:48
>ぴっころさん
遠いけれど、不便だけれど、何度でも行きたくなる場所。
猫と美術と平和を愛する人なら誰でもウエルカムな別世界。来年はぜひ。
by 道ばた猫 2023-08-18 08:52