[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

「猫と橋」という不思議なその名に惹かれて、遠いけれどいつか行きたいとずっと思っていたカフェがありました。
土曜日、仕事で栃木県に出かけた際、願いをかなえるべく、遠回りの寄り道を。
町から離れたのどかな村道をくねくねと行った先に、「猫と橋」の名前の謎解けが待っていました。



先客は、５歳くらいの男の子を連れた夫婦の一家だけ。
あっ、その足元に、黒白の猫さんがゴロンゴロンとくつろいでいるではありませんか。
皮をむきたての葡萄の粒のような、つややかな瞳の持ち主です。



「サクラ」ちゃんというのですって。



男の子は、猫と触れ合う機会がこれまでなかったらしく、大喜びです。



サクラちゃん、私と目が合うや、「いらっしゃい」とあいさつに来てくれました。



間の前に那珂川の風景が広がる、気持ちよいテラス・カフェ。これで「猫」の謎は明快に解けました。
「橋」は、右手遠くに見える、あの白い橋のようです。
「テラスから厨房まですべて夫が作った、手作りカフェなんです」と、笑顔のあたたかい気さくな奥さん。敷地内の倉庫があった場所に「この風景をのんびり楽しんでいただきたい」と、母屋に隣接して作ったお店をご夫婦でやっていらっしゃいます。
栃木名物の遠雷を、遠くに時折聞きながら、おいしいキッシュランチと珈琲をいただきました。



猫好きの客がはるばる閉店50分前に飛び込んできたとあって、奥さんが母屋からキジトラ猫を連れてきてくださいました。
「涼しい時間には出てくるんだけど、こう暑いとね、クーラーの部屋から動かなくって」



ごめんごめん、わざわざ顔を見せてくれて。
「遠くからの猫好きなら、ごあいさつしなきゃね」と言いたげなキジトラのアムちゃん。



厨房からご主人が出てきて、男の子に「猫におやつをあげてみるかい」と、チュールを手渡しました。
小さな手にパパの手も添えられて、サクラちゃんとアムちゃんに、上手におやつをあげられた男の子。夏のいい思い出ができてよかったね！



満足して転がるアムちゃん。



お店の前のウッドデッキに出ると、少し涼しくなっていて、来たときはいなかった2匹の猫がくつろいでいました。
黒猫ジョー君と、キジ白ヨッちゃんです。
いったいここには何匹いるのでしょう。
「全部で８匹います。みんな、捨てられたり迷いこんだりの子で、手術を済ませうちの子にしてやりました。基本、母屋の室内飼いですが、天気がいい日は、こうやってデッキやテラスに出てきます。恥ずかしがり屋でなかなか出てこない猫もいますけどね」と、奥さん。



涼しくなったら、猫率は高いとのこと。次はゆっくりと、1匹1匹の物語をお聞きしたいものです。あの白い橋も渡ってみたいし。



初めての人の前でも転がり放題なのは、ふだんからたっぷりと可愛がられている証拠ですね。
さて、8匹いる猫たちのボスは誰でしょう。
この日接待してくれた、黒白サクラちゃん、キジトラのアムちゃん、黒猫ジョーくん、キジ白ヨッちゃんの中にいるそうですよ。



私は、デッキの端までお見送りしてくれた黒猫ジョー君かと思ったのですが、意外や、小柄ながらも古参の姐御アムちゃんが仕切っているそうです（笑）

※「猫と橋」
　栃木県那須烏山市下境2688
　11時～15時
　テラスカフェなので、荒天などの日は営業中止のため、インスタグラム@cat.and.bridgeでその日の営業をお確かめください。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
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