[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

三毛猫こなつちゃんとの、ちょっと風変わりな出会いをしたのは、9月の半ば。居心地がよくて、春から通うようになった「うめばたけ」という古民家カフェの入口でした。 なんと、こなつちゃんは、お母さんの政子さんに抱っこされてこのお店に来ていたのです。



えっ、ぬいぐるみ？　いや、本物の猫？ 思わず二度見してしまいました。 足の弱った小型犬の散歩などでよく見かけるようになった肩掛け袋状のペットシリングですが、カンガルーのような袋入り猫は初めてです。



しかも、こなつちゃん、好奇心に満ちた黒目がちの目を楽しそうにピカピカさせながらも、リラックスしきっているのです。



このカフェは、テラス席がペット同伴可なので、ご近所に住むこなつちゃんはお母さんと、この日初めてテラス席でのお茶の時間を楽しんだところでした。テラス席はいい風が吹き抜ける広い庭に面していますから。 リードでの猫さんとの外出は、リードがすっぽり抜けて遁走する事故がときどきあるので、厳重注意ですが、このしっかりした肩掛け袋状の「キャットスリング」の内側には、首輪に繋ぐフックがあるので二重に安全。「毎日、この子と散歩を楽しいでいます」とのことで、後日の取材を申し込みました。 そして、先週。 お父さんである強さんの事務所で、こなつちゃんと再会。 「今日の記者会見、がんばってね」と、強さんのお母さまに自宅から送り出されてきたとか（笑）。



あれあれ、キャットスリングに入っていた時は、怖いものなしの猫さんに見えましたが、こそこそっと逃げていきます。



どこに隠れようかな......と思案するまん丸なその姿。 タヌキやアライグマやフクロウにも似てるような......。 「よく言われます（笑）」と、政子さん。



いつものスリングに入って、落ち着いたこなつちゃん。 このおうちにやってきたいきさつを聞かせてね。 じつは、こなつちゃんは、強さんと政子さんの愛猫にゃんたが旅立ったひと月半後の去年夏に迎えられた保護猫でした。 先代のにゃんたは、4年前、自宅庭に現れたキジ白のノラさん。「にゃんた！」というお顔だったのでそう名付けたのですが、メス猫でした。玄関先の段ボールハウスを作ってもらい、冬はペットボトルの湯たんぽを入れてもらい、犬小屋まで買ってもらって、猫は初めての強さんの心にするりと入っていきました。 ある日、全身トリモチでベタベタになった姿でやってきて、ギャン泣き。緊急保護で、そのまま家猫となりました。



外生活がどのくらいだったのか、推定8歳のにゃんたでしたが、やがて「腎臓が悪い」との診断で毎週通院が始まりました。自宅では輸液や強制給餌も。 そのうち「骨髄の病気かも」と言われ、すぐのほかの病院へ連れて行きましたが、「もってあと1～2日」と宣告され、そのまま旅立ってしまいました。去年の7月のことです。



「仕事から帰ってくると、2階への階段を上がったところで待っていてくれて、おでことおでこをごっつんこするのが日課でした」と、強さん。気は強かったけど、甘えん坊だった、可愛いにゃんた。 あまりにも悲しすぎて、現実逃避で譲渡先募集の猫たちの写真を眺めるようになった政子さん。ある日、どこかにゃんたの「むっちり」感が似ている三毛猫に目が吸い寄せられました。 それが、こなつちゃんとの出会い。 こなつちゃんは、去年夏の暑い盛り、千葉県内の愛護センター隣の施設の職員さんに保護されました。ひとまず入れられた外ケージ内の姿を見て、迎え入れを申し出たのが、保護犬や保護猫のご縁を結ぶ活動を続けている本坊さん。 飼い猫が捨てられたのか、最初から人馴れしていたこなつちゃんは、譲渡先募集を始めるや、すぐに会いに行った強さんと政子さんの心をわしづかみにしたのでした。



甘えんぼ度やむっちり度は、にゃんたちゃんと同じですが、性格はかなり違います。 にゃんたちゃんは慎重派で、爪切りをした後などはしばらく恨めし顔でしたが、こなつちゃんは、すぐに忘れてケロリ。濃い三毛特有の、胆の座ったところもあります。



寒かった日。ダウンジャケットの下に入れてみたら、気に入ったのかそのままじっと入ったままだったこなつちゃん。いっしょにお外に出てみたら、まんざらでもない風でした。 安全なキャットスリングを購入して、今では、政子さんとの毎日のご近所散歩が日課となりました。



家では、強さんのお母様のよき話し相手も務めます。 「この前、母の湯飲みのお茶を勝手に飲んでいたのはナイショです」と、強さん。



毎晩、ペットボトルの蓋でエアホッケーなどの運動会でハッスルする元気なこなつちゃん。やはり、猫のいるおうちは、にぎやかで、笑顔が生まれます。



夜は、お父さんとお母さんの間で、「川の字」で眠ります。



ところで、こなつちゃん、獣医さんによって「3歳」と言われたり、「10歳」と言われたり。見る限りでは、４～6歳のまだまだやんちゃ盛りですが、どこからやってきたのか、捨て猫だったのか、年齢不詳と相まって、ミステリアスで、生命力のある不思議な三毛さんです。



「にゃんたを失った悲しみがうすくなったわけではないけれど、この子が来てくれてまた猫を愛する日々が過ごせてしあわせ」と政子さん。 「にゃんたと、こなつ。どちらも可愛いうちの子です！」とおっしゃる強さん。 きっとお空の上のにゃんたちゃんも、お父さんとお母さんの笑顔を見て、喜んでいることでしょう。

※キャットスリングでの外出は、向き不向きの猫もいますし、商品により安全性が違いますので、ここで安易な使用を勧めるものではありません。

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