フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:埼玉県、千葉県、茨城県
茨城県古河市にあるA公園は、広い敷地の中にアスレチック施設やバーベキュー広場、キャンプ場や宿泊施設があり、市民だけでなく、近隣地域の住民にも人気のある公園です。公園は田畑に囲まれており、そこには小規模な工場、民家が点在しています。
公園付近のB工場付近に猫が現れるようになったのは、今から5〜6年ほど前のことでした。見るたびに違う猫がいるので気になっていたところ、2022年秋にバーベキュー広場に猫がいるとの情報があり、年が明けた2023年1月に公園管理事務所に話を聞きに行きました。
公園管理事務所の担当者さんは、猫たちがバーベキューの食材にイタズラをする、また、お客様がエサをあげてしまうことに困っているとお話してくださいました。B工場で猫が目撃されたことから、工場の人に「猫を飼っていますか?」と聞いたところ、「こっちも困っているんだ‼」と怒鳴られ、公園にくる猫が飼い猫かどうかは結局わからなかったそうです。古河市役所に相談したそうですが、「猫は引き取らない」との回答があったのみだったとのこと。猫たちが公園で生んだ子猫はこれまで職員が自宅に連れ帰ってきたけれどもう限界です、とのことでした。
(写真説明:公園内のあちらこちらにいる猫たち)
公園でお話を聞いた後、公園近くのB工場とC工場にも話を聞きに行きました。B工場の社長さんは、従業員がえさやりをしているので捕獲器を貸してくれたら自分で捕まえる、とお話されました。そこで、TNR活動について説明しました。それを聞いた社長さんは「猫を戻されたら困る!」、「SNSで引き取ってくれるボランティアを自分で探す!」と主張され、残念ながら問題解決に向けた話し合いはそこで終わってしまいました。
C工場では、従業員さんに話をお聞きしました。こちらでは、トラックや資材に猫が入り込んでいることに困っていました。TNR活動について説明すると、活動に協力する、と言ってもらえました。すでに繁殖期に入っていたため、急いで猫たちを捕獲・手術をすることになりました。
(写真説明:捕獲機で保護された猫)
最終的に、この公園でのTNR活動によって、13匹の不妊手術が完了しました(オス7匹、メス6匹)。そのうち5匹は里親さんに譲渡可能と思われたため保護し、現在里親さんを探す活動を行っています。
(写真説明:里親さん募集中の伊予(いよ)ちゃん(キジトラ)とネーブルちゃん(茶トラ)。手術済であることを示すために耳カットされています)
公園や近隣工場で、善意から野良猫にえさを与えたことが望まない繁殖に発展し、地域の問題になってしまいました。当事者である公園や近隣工場の皆さんはそれぞれ問題意識をもっておられましたが、個別の対応になっていたところを、われわれが当事者同士をつなぐ役割を担うことができました。今回のTNR活動では、猫の捕獲のほとんどは公園の職員の皆さんが行ってくださいました。また、不妊手術の費用にはフェリシモ助成金を利用することができました。この春は公園の猫たちの繁殖をストップできたことが何よりの嬉しいニュースとなりました。
A公園でのTNR活動は成功したと言えると思います。しかし、もし行政が、野良猫の問題を抱える市民や、われわれのような保護団体をつなぐ役割を担ってくれていたら、現在よりも猫が少ない段階で頭数を抑える活動ができたかもしれません。近年、野良猫保護や地域猫の活動に対し、社会全体の理解が高まってきたと感じています。行政にはこのような社会の変化を背景に、より踏み込んだ施策を期待したいと思います。そのような施策が実現するまで、われわれ保護団体は、いま目の前にいる猫や犬たちを助ける活動をコツコツと続けていきます。
<ご支援くださっているみなさまへ>
誰が増えてしまった猫たちの責任を負うのか、ということが明確にできない場合、誰がTNR活動の不妊手術等の費用を負担するかという問題に直面して、活動自体がストップしてしまうことがあります。今回はフェリシモ助成金のご支援を受けて、公園の猫たちの繁殖をストップすることができました。心地よい住処や十分な食糧を得られずに、病気になる猫、事故にあう猫を増やさないために、これからも活動を行っていきたいと思います。今後ともご支援いただけますようお願い申し上げます。
「さくら犬猫譲渡会」
https://sakurainuneko.jimdofree.com/