海くんは、推定5か月のハチワレくん。
好奇心に満ちたピカピカの目と、長くしなやかな手足としっぽ、なめらかな毛の持ち主です。お鼻のハート模様も、チャーミング!
このおうちにもらわれてきたのは、去年の12月17日。
今では、お父さんとお母さんの大事な「箱入り息子」として愛される日々です。
箱入りといえば、海くんは、お寺の賽銭箱の下に隠れているところを保護されたのでした。
これが保護後の写真。海辺の町の高台にあるお寺本堂のお賽銭箱の下で鳴いているのを保護してもらったのです。2カ月くらいの子猫がひとりで高台に上ったとは考えられないので、捨てられたと思われます。保護後は、南房総館山市のNPO「ドリームキャット」のシェルターで譲渡先が見つかるのを待っていました。
まもなく、海くんを迎えたいというご夫婦が現れました!
中国人のご夫婦は、猫を迎えたかったのですが、日本に永住を決めているにもかかわらず、これまで幾つもの保護団体で門前払いをくらっていました。ドリームキャットの千鶴子さんは、じっくりお話を聞いて、「このご夫婦なら」と譲渡を決めました。
新しいおうちについた海くんは、用意されていたおもちゃですぐに遊び始め、その日のうちにすっかり打ち解けてしまったそうです。
保護したときの仮の名は「フク」だったのですが、海辺の町からやってきたので「海」くんというカッコいい名前をもらいました。
お母さんの李さんは、実家でも猫を飼っていましたが、お父さんの蘭さんは初めて。
「やっぱり、猫は可愛いですね!」と口元がほころびます。
おふたりは、ほぼ在宅のパソコン仕事なので、毎日2時間くらいたっぷりと遊んでやります。猫じゃらしに飛びついたり、隠したおもちゃを探すゲームをしたり。
仕事中に膝からおりてくれなくて、マウスをじっと狙ったり。困るけど、可愛い。
「事件と言えば、夜中に勝手にチュールを取り出してかじっていたことがありました。発見したときは『見つかっちゃった』って顔をしてました」と、李さんは笑います。
李さんが、椅子から転がり落ちて、痛さのあまり涙目になったことがありました。
「そのとき、この子がそばに来て、涙をペロペロ舐めてくれたんです。感動しました」
どうやら、海くんは李さんのことは「お母さん」と思っているようで、蘭さんのことは「兄弟分」と思っているとのこと。
長身の蘭さんの足元から肩によじ登り、背中に乗って、「部屋の中の高いところ観察」をするのが楽しみなんだとか。
蘭さんをときどき噛んだり、引っ掻いたりしているそうですが、それもお兄ちゃんに甘えるあまりのことでしょう。
「中国では、週末は家での時間はほぼなく、親族へのあいさつ回りで終わってしまう。日本では、人との距離感がほどよく、こうして海くんともゆっくり過ごせます。ずっと日本でこの子と暮らします」
海くん、やさしいお父さんとお母さんとずっと幸せに!
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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白黒のコントラストが映える海くん、何事にも興味津々の様子、若いって素晴らしい。そのうちに二か国語をマスターするかな⁇末永くお幸せに。
by Y.M 2024-03-05 15:15
きれいなおめめのハチワレさん。
我が家のさぬき姫も柄は違えど白黒ねこさん、うちに来た時を思い出しました。
私も中国5年、ベトナム3年の海外駐在経験がありますが、我が姫にも外国語では話しません。(当たり前ですが)
ねこさんって空気を読めるので、言葉の内容よりも雰囲気で意気投合って感じなんだと思います。
幸せになって下さいね。
by ヤンヤン 2024-03-06 19:50
うちにもハチワレくんがいます。職場で生まれた仔を連れて帰った仔です。
海くん、優しいお母さん、お父さんで良かったねー たくさん遊んでもらってね。
by ちぃ 2024-03-08 18:43
海くん、優しいネコさんですね♪
お鼻のハートが、ほんとチャーミング!
ステキなお父さんお母さんができて、ほんとに良かったです。
それにしても、どうして外国人というだけで、里親さんになるのを断られるのでしょうか…
こんなに素晴らしいご夫婦を門前払いなんて、ほんとにもったいない話です。
里親さんになるためには、国籍よりもずっとずっと大切なことが、たくさんあるはずなのになあ~
by ぴっころ 2024-03-08 19:15