みにゃさま、こんにちは。
今回は、「訪問アニマルコミュニケーション」にご応募頂いたRさんのお宅に行ってまいりました。
ご相談はこちらです。
16歳の猫です。女の子。野良猫がマンションの庭に現れるようになり、寒い時期だったのでダンボール箱を置いたところ、しばらく後に子どもを4匹産みました。いつの間にか子ども達は忽然と居なくなり心配していたら、1匹だけ母猫が連れてきた子は片目が潰れていました。
その子が庭にいつくようになり、色々あって部屋に入れて一緒に暮らしています。来てくれて有難うと癒されていますが、このところ若かった時と変わって、歳のせいなのか(?)とてもよく鳴くようになり、その鳴き声が何か訴えるような声で、何か体調が悪いのかと心配なのです。
鼻炎はあリますが、他に特に悪そうなことは病院では言われていません。彼女が何を訴えているのか、知りたくてたまりません。岩津さん、よろしくお願いします。
お部屋に入ると、ゆったりと落ち着いた様子でソファーのあったかマットで温もっている、にゃんこちゃん。この5月で17歳。
緊張も警戒心もなく普段通りに「こんにちは」と挨拶をしてくれました。
「こんにちは」
ばっちりカメラ目線ですがカメラを避けないのは珍しいそうです!
Rさんが、にゃんこちゃんとの出会いから今までのことを教えて下さっているのを、耳を傾け静かに聞いています。
にゃんこちゃんとの出会いは今から17年前。ご依頼文にもありますが、庭先に1匹の猫が来るようになり、その猫が4匹の子猫を出産した後に一家で姿を消したのですが、突如母猫が片目の潰れた子猫1匹だけを連れて戻って来ました。その子猫がにゃんこちゃんです。
17年前のにゃんこちゃん兄弟
母猫はすぐに去っていったのですが、にゃんこちゃんはRさんのお庭を住処として決めたようで、お庭から離れることはありませんでした。
にゃんこちゃんのお母さん
時は経ち、にゃんこちゃん4歳の頃。にゃんこちゃんが家に入りたがるようになったので、Rさんは心を決め、家に迎え入れました。
1歳過ぎた頃のお庭時代のにゃんこちゃん
迎え入れた当初、仕事で不在時間が長かったRさんは、もう1匹猫がいればお留守番が寂しくないだろうと子猫のトライアルをしましたが、にゃんこちゃんは「なんでこんな子連れてくるの!?」と言わんばかりに怒り心頭で徹底的に拒否。お見合いはいつまでたってもうまくいかず断念しました。
トライアル当時の一枚
にゃんこちゃんが室内飼いになってから、母猫が一度だけ様子を見に現れたそうですが、この時も徹底的に追い払ったそうです。トライアルと言いこのエピソードと言い、にゃんこちゃんの性格と意思がよく分かりますよね。
家猫になってすぐのへそ天にゃんこちゃん
4歳で家猫になり今年で13年目。
Rさんは1年前に仕事を辞め、家で過ごすことが多くなりました。
この頃からにゃんこちゃんはよく鳴くようになり、にゃんこちゃんがいったい何を訴えているのか知りたいと今回ご依頼を頂きました。この他にも、Rさんが家にいる時はあまりご飯を食べず、外出した留守中はよく食べることについても理由が知りたいとのこと。
ではさっそく、待ち構えているにゃんこちゃんに聞いてみましょう。
岩「1年前からよく鳴くようなったそうだけど、何を言っているの?」
に「その時々で違うよ。寒いとか、お腹空いたとかいろいろ。」
岩「寒いの?」
に「うん。年々寒く感じる。」
岩「今も?」
に「うん、寒い。」
普段の様子を観てみると、確かに寒そうです。冬は寒さで後ろ足が動きにくく、関節に滑らかさが無くギシギシしています。この季節でも室温がにゃんこちゃんにとっては低く、体が冷えています。
岩「お腹空いたって鳴いてるって言うけど、Rさんが家にいる時にご飯食べないのはなんで?」
に「見られてたり、こっちに意識が向いてる気配で息が詰まって食欲落ちる。」
岩「じゃあ、ご飯を食べたくないわけじゃなくて、気持ちの問題なのね?」
に「うん。でも元々食は細い。」
岩「好きなご飯は?」
に「卵とお寿司と香ばしい肉」
岩「!!!グルメね!」
岩「ウエットフードはどう?」
に「見た目が好きじゃない。なんかきれいじゃないって言うか。」
確かにRさんは在宅中、にゃんこちゃんのことが気になって頻繁に見ていたり、ご飯を食べないのであの手この手でいろいろ出してみたりしているそう。これは飼い主さんとして当然と言えば当然の振る舞いなのですが......。
1年前に仕事を辞めて、やっと家でゆっくりにゃんこちゃんと過ごせると思っていたのに、当のにゃんこちゃんは一人の時間が必要なタイプで、ずっと一緒に過ごしたり、見られたり意識を向けられることがストレスになるのです。
Rさんは日に一度は外出するようにしていますが、それに加え、家でのにゃんこちゃんとの過ごし方も見直す必要がありますね。
二人の思いがぴったり同じなら苦労は無いのですが、やはり猫も人も性格は様々。同じ屋根の下、お互いが心地よく過ごすには、種族は問わず配慮や尊重が必要となりますね。
コロナ渦中のことですが、いつもは仕事で不在時間が長い飼い主さんが家に居るようになり、その変化が猫さんにストレスになり、体調を崩したり、いつもはしない行動(家のあちこちにおしっこ、鳴き続ける、食欲不振等)を取るようになったというご相談が続いたことがありました。
積極的に外出ができない時期でしたが、飼い主さんが家を空けるようにしたり、猫さんと一日中同じ部屋に居ないようにしたり、構いすぎない・見過ぎない・意識を向け過ぎないことで猫さんの体調が良くなったり、ストレス行動が無くなった例が多くあります。
猫さん含め、環境の変化が苦手な動物は多いですが、こんなご相談が相次いだことで人間は環境の一部でもあることがよく分かりました。
にゃんこちゃんの話に戻りますが、彼女が訴えるように鳴いているのはこのような理由で、Rさんが心配されている体調についてではありませんでした。室内の寒さについてはすぐに改善すると言われ、ひとりの時間が必要なにゃんこちゃんの思いを真摯に受け止めておられました。
あとこれは病気ではなく高齢によるものですが、にゃんこちゃんは耳があまり聞こえていないのがお話中に伝わってきました。耳が詰まっているような感覚で、音が拾えないようです。そして、聞こえづらい分、周りの音や動きが発する振動でいろいろと把握しています。若い頃に比べ大きな声になったのはこれが原因かもしれませんね。
にゃんこちゃんに他にも聞いてみました。
岩「子猫がトライアルで来た事覚えてる?その時どうだった?」
に「いらんいらん。子供はやっかい。」
岩「じゃあ大人は?」
に「充分。一人で充分。」
やはりにゃんこちゃんは、Rさんとの二人暮らしが心地いいようですね。
トライアル中、子猫に威嚇するにゃんこちゃん
岩「不満はある?」
に「今んとこない。もっとおしゃれして出かけ! 黄色が似合うと思う。私は茶色が似合う。」
これはRさんへのメッセージです。
一人になりたいから「出かけ!」と言ったのではなく、にゃんこちゃんはRさんがおしゃれをして外出する姿を見るのが好きだから、もっとおしゃれをして楽しんでほしいのです。
毎日を、自分の人生を、もっともっと楽しんでキラキラと輝いていて欲しい。そんな母のような心のこもったメッセージでした。
にゃんこちゃんが黄色と言った時、ミモザ色のような黄色のブラウスやカーディガンのイメージが伝わってきました。それを見て、私もRさんの笑顔にはミモザ色がぴったりお似合いだと思いました。
さすが家族のにゃんこちゃんです。Rさんの魅力が際立つ色をよく知っています。お出かけが気持ちいい季節になったものね、にゃんこちゃん。
にゃんこちゃんお勧めの黄色のお洋服でお出かけ準備をするRさんや、お出かけを楽しんで帰ってきたRさんを見る幸せそうなにゃんこちゃんの笑顔が目に浮かびます。
Rさんの笑顔はにゃんこちゃんの笑顔となりますね。
この度は呼んで頂きありがとうございました。いついつまでもお幸せに!
お話が終わると「もうインタビュー終わったか?」と言ったにゃんこちゃん
Rさんより後日談をいただきました。
考えてみたら、退職して時間的にも精神的にも余裕が出来た分、にゃんこに対して過保護になり過ぎてたなぁと思います。
シニアだからと心配し過ぎて外出してもなるべく早く帰るようにしたり。。
でもそれが負担になってたのかーってちょっとショックでしたけど、笑 外出しても慌てて帰宅してしなくて良いんだと、私自身も安心して外出できるようになりました。
相変わらず鳴いてますが、耳が遠くなったというのは、確かに!と実感してます。教えていただいて有難うございます。
あと、寒かったの全く知らず、岩津さんに言われてから部屋を暖かくしたら、クシャミが減りました。それまで鼻炎のせいだと思ってました。寒かったんだーごめんと謝りました。
有難うございました。
フェリシモ猫部からのお知らせです。
「岩津さんに聞く!」コーナーのブログ更新は、3カ月に1回です。
次回のブログは8月9日(金)の公開予定です。
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【訪問アニマルコミュニケーション再開のお知らせ】
~あなたも、岩津さんを通じてペットとコミュニケーションしてみませんか?~
猫部の訪問アニマルコミュニケーションは新型コロナウイルス感染拡大の影響で募集を中止しておりましたが、現在、岩津さんのご自宅(神戸市内)より日帰りでお伺いすることが可能な範囲で再開しております。訪問範囲の詳細については個別に対応させていただきますので、ご希望の方はご相談ください。 岩津さんがあなたのご自宅に訪問して、動物と対面でアニマルコミュニケーションを行い、その様子を当ブログ上で記事にさせて頂きます。(プライバシーは守られます)
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うち15,000円は、岩津さんのご厚意により動物愛護団体に寄付されます。
詳細は、応募フォームをよくご確認の上ご応募ください。応募者多数の場合は抽選となります。奮ってご応募ください!⇒
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※当選の場合はご応募から1ヵ月以内にご連絡いたします。
※感染の状況次第で今後の訪問範囲を広げる予定です。
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※岩津さんへのアニマルコミュニケーションの依頼や、お急ぎの方は岩津さんまで直接ご連絡ください。
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写真
アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!
岩津 麻佳
2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。
HP
かわいおもしろすぎです。
昭和風にいえば、「亭主元気で留守がいい」の子って結構いるのですね。
うちのこはまさにその代表ですが😂
(帰りを待たれていないわけじゃないので、そこは言っておきます🤣)
在宅時間が増えてのアレコレは人間界にとどまらず、猫様との関係も同じとは。
他の猫いらな〜い、他の人いらな〜いってとこも共通点♪
ビバ百猫百色!!
by 昭和のおつさん 2024-05-10 10:29
人間にもいろんな性格があるように猫にも個性的な子が居るんだなと
3ヶ月に一回更新ですか!
一ヶ月に1回でも少ないと思ってるのに…フェリシモさん!岩津さんの出番増やしてください
by たまき 2024-05-10 12:06
一人時間、大事。
人も動物も。
私は茶色が似合うって、可愛すぎ。
by シュークリームはウゴー 2024-05-12 16:55
昭和のおつさん様
「亭主元気で留守がいい」は感染拡大の影響のテレワークが浸透して明らかになった猫の気持ちと言いますか、気質ですね。
わかります^_^好き嫌いとか気持ちの問題ではなく、それが猫ってもの、ということですよね。
by 岩津 2024-05-15 14:54
たまき様
生き物の種別問わず様々ですよね♪
更新について、ありがとうございます!!励みになります
by 岩津 2024-05-15 14:56
シュークリームはウゴー様
ひとり時間の大事さ、情報溢れる現代では特にそう感じます。
茶色、にゃんこちゃんの保護色ですよね(*'▽')
by 岩津 2024-05-15 14:59