フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:尼崎市内
ジローは高齢の柴犬です。高齢の飼い主が救急搬送され、一匹残されてしまいました。
福祉関係からのSOSで、ヘルパーさんと現場に入ると、独居の老人とペットの生活は、かなり長い間、深刻な孤立状態にあったことがうかがい知れました。
その部屋の隅におびえきったジローがいました。目は白濁し、身体の半分くらい脱毛で、全身に黒いぼろきれを巻いている? と思ったのは、ジロー自身の皮膚でした。ガタガタと震え、このまま発作で死んでしまうかもと思うくらいで、私たちはそっと触れるのが精一杯でした。
飼い主さんがどうなるかも分からず、ジローを預かってくれる親族は誰もいませんでした。ひとまず、ご近所の方とC.O.Nスタッフが協力し、ジローのお世話をする訪問支援を行うことになりました。
1ヵ月、2ヵ月、少しずつジローが心を開いてくれるようになった頃、飼い主さんが亡くなったという連絡が入りました。数時間前に「ジローをおいて行けない」と、救急車に乗らなかった飼い主さんが、ジローの元に戻ってくることはありませんでした。
ジローはとてもいい子でしたが、高齢のうえに、目もあまり見えていません。治療でマシにはなりましたが、皮膚病もひどいまま・・・途方に暮れる里親探しが始まりました。
夏が過ぎ、秋が過ぎ、師走の頃、協力団体からの紹介で、ジローを家族に迎えたいというお話がありました。飼っていた老犬が亡くなり、少し気持ちも落ち着いたので、また老犬を迎えたいと考えていたそうです。ジローがこの家にいられる時期も限られるなか、手詰まりの私たちにとって、「奇跡」でした。
里親さんにジローをお届けする日、あれほど怖がりだったジローは、驚くほど落ち着いていました。お世話をしてくれたみんなに優しい表情を残して、お迎えにきてくれた里親さんといっしょに出発しました。駐車場から里親さんの家までの道のりを、ジローはいつものお散歩コースのように歩いていきました。
近年、殺処分は大幅に減少し続けていますが、ジローのような犬猫たちは、社会にあふれています。保護猫、保護犬たち1頭、1頭、どの子にも奇跡が起こって、小さな命がつながる社会になってほしいと思います。そのためには、もっとしっかりした仕組みが必要だろうと思っています。行き場の失う犬猫たちを社会全体で支える仕組みを目指し、取り組んでいきたいと思います。
<ご支援くださっているみなさまへ>
犬猫たちの活動に、いつも温かいご支援をくださる皆さまに心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
当法人では、高齢者とペットの安心プロジェクトの取り組みが4年目になりました。飼い主の死亡や施設への入所といった理由で、飼育放棄となり、行き場を失う多くの犬猫たちと関わっています。皆さまからのご支援は、そうした保護犬、保護猫の医療費などに使わせていただいています。
このプロジェクトの現場で実感することは、一般の飼い主さんも、私たちボランティアも、もしもに備えることの大切さです。ペットと暮らす皆さまには、『もしもの時、ペットを誰に託すか』を、ぜひ考えていただけたらと思います。人も猫も幸せに、これからも精一杯がんばります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
「特定非営利活動法人C.O.N」
http://cat-operation.net/