おお、なんと美しい目の、風格ある猫さん!
名前は「ふく」ちゃんです。
お歳は、16歳半。オス猫さんと思いきや、メス猫さんですって。そういえば、サビ猫さんだから、メス猫さんですよね。
ふくちゃんは、この日も、敷地内のパトロールに余念がありません。
ここは、成田空港にほど近い「Cat berry 成田」。奥にはブルーベリーなどの果樹園、敷地前面のパーキング部分には知る人ぞ知る猫雑貨の店があるのです。
お店の名は「妖しい猫の店」! インパクト絶大で、猫好き心を思いきりざわつかせますね。
入ってみましょう。
ここならではのものも含め、猫好きには垂涎の商品がいっぱい。
入り口付近の絵は、店のロゴにもなっている、松下カツミさんによる「農園猫ふく」。
奥には、モントペペリさん描く、オーナーの飼い猫たちの絵も。左上がふくちゃんです。
「7匹描いていただきましたが、今はもう1匹増えています」と、店主の佳子さんは笑います。果樹園やお店の名からしても、これは根っからん猫好きと思いきや、佳子さんはふくちゃんと会うまでは犬派だったそうです。
ふくちゃんは、16年前のある朝、庭に迷い込んだ生後半年くらいの子猫でした。
当時小学1年生の娘ちゃんが「猫がいる!」と発見。
「餌をあげちゃだめよ!」と言って仕事に出かけた佳子さんが帰宅してみたら、すでに娘ちゃんは子猫をすっかり手なづけていました。
獣医さんに連れて行ったら、すでに不妊手術済みでしたが、飼い主は見当たりませんでした。
「それで、犬を飼う予定でいたのが、猫になりました」
その後、犬派だったはずの佳子さん一家のもとに、次々とやってくる猫たち。近所の子が捨て猫を持ち込んできたり、ブリーダー放出の子を迎えたり、またまた迷い込んできた子がいたり、ご近所で面倒を見てもらってる子がここにも朝夕通ってきたり......。あっという間に猫は8匹に。一番の新入りは、どこからか現れ、水撒きの水にじゃれついてきた狂暴子猫の「小鉄」くんです。
ふくちゃんは、つるむのが嫌いな自由猫。猫が増えた自宅住まいを嫌って、店周りを縄張りとし、店内をねぐらとする店長猫となりました。
テリトリーは、お店、庭、果樹園、畑、そして猫好きなお隣さん。敷地内以外にはけっして出ないので安心です。
ご夫婦とも平日は本業をお持ちなので、お店と果樹園は、土日のみ。
「ふくちゃんたちを迎えて、すっかり猫好きとなった佳子さんが、「猫好きに楽しんでもらえるように」と開いたブルーベリー農園と、猫雑貨のお店です。
「採算度外視ですが、猫好き同士でいろんなお話が弾むのがとても楽しいですね」
店内には、ここのオリジナルのミャンマー珈琲やジェラートを味わえるコーナーもあります。
通りに面して、ドンと置かれた猫グッズなどの自動販売機2台も、目を引いています。
ブルーベリーも色づいてきたわよと、ふく店長さん。
ご夫婦の剪定作業などをそばで監督するのも、店長のお役目のひとつ。畑は、猫のためにいっさい農薬を使わないので、こまめに雑草を抜いていらっしゃるのだとか。
そうそう、ところで「妖しい猫の店」の名はいったいどこから?
ふくちゃんは、妖しいといえば妖しいけれど、「風格ある賢者猫」のイメージ大なんですが。
佳子さんが店名の訳を教えてくれました。
「ほら、あの入り口のドアに取り付けた木彫りの猫をご覧になって」
ふくちゃんをモデルにとドア猫を依頼された工房の方が、納品の時に「妖しいおじさん猫になっちゃいました」と言ったのだとか。
「それで、ひらめいて、お店の名を妖しい猫の店にしたんです。猫って、みんな妖しいじゃないですか」と佳子さん。
遊び心満載で、なんともブラボー!
この日は、パーキング内で、ワゴン車での移動医療と手術をなさっている「ルナスペイクリニック」の笹尾先生による、外猫や保護猫たちの不妊去勢手術が行われていました。
猫好きたちが猫たちのことを語り合い、猫たちのために笑顔で手をつなぐ。
そんな場所ともなってるお店です。
※妖しい猫の店
千葉県成田市山之作502
開店=土・日の10:00~14:00(農繁期は臨時休業あり)
詳しくは、インスタグラム
ayashii.nekono.miseで。
ブルーベリー摘み取りは、7月14日から。じゃらんネットにて予約できます。
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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ふくちゃん初め、お店の品々の猫たちもみんな目力が凄い。この目力が犬派の人もネコ派に引き入れてしまうのかな。大勢の猫たちを迎え入れてくださる方がいらっしゃる一方では、移動医療で面倒を見てくださる方も、猫たちが皆、幸せに暮している世界を見ると心が和む。
by Y.M 2024-06-18 15:53
移動オペカーが登場とは。日本のペット環境も日進月歩なんですね。にゃんげんも動物たちも育児放棄やネグレクトがなくなりますように。
by ムヨク 2024-06-18 17:02
こりゃまた立派なさび猫さんですねー 凄い目力です。
お店もワクワクします。店内の最初の写真のいくつも積み重なった白黒猫さんのお品は、何でしょう? これ何?と思わず独り言してしまいました。
自販機もカラフルで素敵です〜
フクちゃん、お店を盛り立ててね。
by ちぃ 2024-06-18 18:50
わ~い😊
ふくちゃん😺登場💗
以前から気になっていた成田に有る猫のお店😍
ご縁が有って、茉莉子さんの取材の前日と当日にお店に行けました😊
成田にこんなお店が有ったなんて💦💦
成田の人達が、羨ましいです😆
by ちえみ 2024-06-19 02:06
『妖しい猫の店』!!なんて魅力的なネーミングなんでしょう~(^^♪
これは覗かずにはいられませんね。
そして、ふくちゃんの味のあるお顔と存在感・・・!
これはもう、絵本の主役級の風格ですね♪
妖しくて楽しい自動販売機も気になります(笑)
ネコ好きさんの素敵な交流の場、もっともっと増えるといいなあ~!
by ぴっころ 2024-06-20 11:52
妖しい猫の店... 妖しすぎる店名!
猫グッズだけでなく、ミャンマー珈琲とジェラートなんて聞いただけで頂きたくなります。
先日、猫ねこ展を訪れた際に寄りたかったです。(もちろん、ちくわくんに一票!)
これから雨の季節ですが、天気の良い日に出かけてみるのもいいいですね。
by ヤンヤン 2024-06-21 05:14
>Y・Mさん
たしかに、ここの猫さんたち、目ヂカラハンパじゃないですね~。
それが「妖しい猫の店」のゆえんでもあるのでしょうか(笑)
by 道ばた猫 2024-06-21 15:05
>ムヨクさん
ルナスペイクリニックの先生は、この後、長崎の離島でひと月オペして回られているそう。
ほんとうに頭が下がります。
by 道ばた猫 2024-06-21 15:10
>ちぃさん
白黒さんの箱は、ひとり用お手軽コンロ商品と、妖しい猫の店さんのパッケージとのコラボなんです。
気になりますよね!
by 道ばた猫 2024-06-21 15:14
>ちえみさん
ここぞ、知る人ぞ知るユニークで魅力的なお店ですよね。
成田方面、いろんなお店があって楽しいです!
by 道ばた猫 2024-06-21 15:17
>ぴっころさん
ちょっとやそっとの猫度のお店では飽き足りない猫好きにとっては、のぞかずにはいられません。
ふくちゃん、たしかに絵本の主人公のようでした。
by 道ばた猫 2024-06-21 15:20
>ヤンヤンさん
猫ねこ展でちくわ君に投票!ありがとうございます。
ブルーベリー摘みもかねて、梅雨の晴れ間に妖しい訪問(笑)いいかも。
by 道ばた猫 2024-06-21 15:24
怪しい猫の店!入りたくなっちゃうね でも出られなくなっちゃいそう!あのカラフルな自販機の飲み物は猫が好きな味をそろえていたりとか?! にしてもふくちゃんはこの店にピッタリね。模様といい瞳といい佇まいといい…。いかにもねこまた系な…?(すいません💦) ふくちゃんといっしょにここでくつろぎたいにゃぁ〜🎵🩷
by ひろにゃん 2024-06-23 09:44