ロッタちゃんは、3歳のハチワレの女の子。お鼻の菱形模様と丸っこい体形がとってもキュート。
WEB上でのデザインを仕事としている牧野治子さんの大阪のおうちで、「ビッケ」という名のお兄ちゃん犬を相棒として暮らしています。
ビッケくんは、14歳。高齢だったもとの飼い主さんの施設入りで、親戚や知人宅を転々とした後、NPO団体のARK経由で、治子さん宅へ。先代の黒柴「ティム」くんも、ARKから迎えた子でした。
ビッケくんは2カ月間大声で鳴き通したそうですが、今では人も猫も大好きな、穏やかで優しいお兄ちゃん。
治子さんちの初代猫は、「モモ」というキジ白のメス猫さん。雨の日、近所の公園でひとりぼっちでうずくまっていたガリガリの子猫でした。
ビッケくんを迎えたとき、モモちゃんは怒ってしばし籠城してしまったそうですが、その後2匹は仲良くなりました。
治子さんの撮った在りし日のモモちゃん。
そう、モモちゃんは、4年前に腎不全のために9歳で天国へ行ってしまったのです。
せつなくてもう猫は飼うまいと思っていた治子さんでしたが......。
友人が兵庫県で主催するNPO団体で、譲渡先から2度も戻された子猫がいることを知り、写真を見るとモモちゃんによく似ていて、「それなら、うちで」と迎えたのでした。
それが、ロッタちゃん。当時4カ月くらい。保護されたいきさつは不明です。
「なつかない子ですよ、と言われましたが、全然そんなことはなくて。
やってきて1週間で、ビッケ君と同じ格好でくっついて寝ていたそうです。
2匹は種を超えて、仲の良い兄妹になりました。
さて、このロッタちゃん。先代のモモちゃんとは正反対の性格。
「モモは、クールな優等生でしたが、ロッタは、フレンドリーで、お客様大好き。好奇心旺盛で日々家の中で楽しいことを見つけています。高いところからドタっと落ちたりしていますけど」
猫を迎える前は、猫って犬ほどコミュニケーションが取れず、とても気まぐれだという印象を持っていたという治子さん。
モモちゃんに続き、ロッタちゃんと暮らして、猫の律義さ、繊細さ、面白さにびっくりしたそうです。
「たまに私が夜なべ仕事をすると、付き合って起きていてくれるんです。仕事机には、ロッタのスペースもあります(笑)」
「モモは運動神経抜群でしたが、ロッタはどんくさい。でも、めげない努力家。2匹飼ってみて、猫とひとくちにいっても、これほど個性の違いがあるのかと思い知りました」
ロッタちゃんが努力家ということがよくわかるのが、これ!
この分厚い本の表紙や背表紙を何日も何日もかけて食いちぎって、ロッタちゃんの「作品」にしたのですって!
「まだ、製作途中なの」と、すましたお顔のロッタちゃんでした。
治子さんの作品も見せていただきたくなりました。
イラストも描かれる治子さんが、ロッタちゃんをモデルにした絵がこれ。
わあ、水上でプカプカするロッタちゃんの可愛いこと!
ビッケ君やモモちゃんが登場する絵もあります。
「犬も猫も飼っていると、とっても楽しい!」と言う治子さんならではの楽しい画風です。
治子さんの撮る写真にも愛情があふれていて、ロッタちゃんの遊ぶ姿も、こんなにいきいきと切り取られてます。
そうそう、治子さんは、5年前には、イタチに食いつかれていた子猫も公園で救出しています。
雨上がりで手にしていた傘で、無我夢中でイタチと闘い、チャトラの子猫を救出、すぐに緊急医療へ駆け込みました。
その子、「虎次」くんは、今は、虎次君に一目ぼれしてしまった治子さんのお姉さまのおうちで、立派な猫になって、溺愛されているそうです。
できたら、虎次くんも取材させてもらいたいものです。
治子さんにブラッシングしてもらうのが大好きなロッタちゃん。
治子さんとお散歩するのが大好きなビッケくん。
縁あって、一つ屋根の下。いつまでも仲よく幸せにね!
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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ロッタちゃんもピッケくんもモモちゃんも虎次くんも、みんな鼻の頭のダイヤモンド(輝き)が素晴らしい。そして頭も良さそう。とりわけロッタちゃんは読書家かな?治子さんの画を見ていると、暖かく楽しい日々が思い浮かぶ。家族そろってお幸せに。
by Y.M 2024-07-23 14:41
譲渡先から2回も戻されたロッタちゃん。きっと、治子さんに会うためだったのでしょうね。
治子さんの動物たちの飲茶パーティーの絵、素敵ですね。笑顔の動物たちがとてもキュートです。
猫の個性、同感です。
by ちぃ 2024-07-23 19:55
白黒ロッタちゃん、なんて可愛らしい!
我が家も白黒姫を迎えてから、その可愛らしさを知りました。唯一無二の白黒柄はたまりませんね。
ビッケおじいさんとも仲良くできるなんてとても素敵です。
先代モモちゃん、NNN派遣グッジョブ! (笑)
by ヤンヤン 2024-07-24 04:42
>Y.Mさん
鼻の頭のダイヤモンド(輝き)が共通だなんて。すてきなことに気づいてくださいました!
幸せだと、鼻も目も輝くのでしょうね~
by 道ばた猫 2024-07-30 12:57
>ちぃさん
たしかに。猫複数と暮らす経験を持つと、その個性の違いに驚かされますね。唯一無二。だからこそ出合いは奇跡のようなものですね。
by 道ばた猫 2024-07-30 12:59
>ヤンヤンさん
唯一無二はサビ猫と白黒が顕著ですね!どうしてあんなひょうきんな柄になるのだろう(笑)。
そうか、モモちゃんの派遣だったのか・・・・!
by 道ばた猫 2024-07-30 13:02