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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2024年09月10日

安寿ちゃん

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安寿ちゃんが、お昼寝から目覚めました。

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初めましてのお客さんにも、人見知りしない安寿ちゃんです。

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推定年齢2~3カ月の可愛い盛りです。

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ここは、佐倉市の高台にある一軒家の健康サロン「ECHICA+」(エチカプラス)です。
安寿ちゃんは、自宅からパパママと一緒に車で通勤して、パパやママがお仕事中は自分のお部屋でお利口に過ごしています。

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愛らしさを一身に凝縮したような安寿ちゃんですが、6週間前は、こんなひどい状態でした。

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それは、7月21日の夕方のこと。すごく暑い日でした。ママは自宅でのアロマ教室を終えて店に戻ろうと、小道をゆっくりと車を走らせていました。人家もなく、雑木林がある一帯です。道ばたに子猫がちょこんと座っているではありませんか。その子と目が合った気がしました。
「飛び出してきたら、危ない!」
近くに親猫の姿も見当たりません。とっさに車を降りました。
「目が合った気がしたんですが、見ればその子の目はつぶれていて、ガリガリで弱っていたんです。その姿を見たら、ほおってはおけませんでした」
ちょうど車に積んであった植木鉢に子猫を入れ、夫に連絡して獣医さんを探してもらい、店に急ぎました。
ふたりで駅前の獣医さんへ向かい、ノミダニ駆除をしてもらい、猫風邪の薬を処方してもらいました。体重は、たった300グラムでした。

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「安寿」という名をもらい、手当の甲斐あって、目も治ってきた子猫でしたが、一つ問題がありました。
それは、パパが「犬猫ニガテ」だったこと。猫は飼ったことがなく、どう触っていいかもわからず、ちょっと怖いと思っていたパパだったのです。
ママは、ひと回り年下のパパと再婚する前に「シャケ」という白猫と暮らしていました。保護された猫をもらい受けたのですが、ママにだけ甘える猫で、その子とずっと一緒にいたいがために、お勤めを辞めて自宅サロンを開いたのでした。
シャケを亡くしてちょうど5年目の夏に出会った子猫を「飼いたい」というママの気持ちが固いことを知ったパパは、ママのために決心します。「自分も猫を愛する人間になろう」
保護活動をしている知人の元へボランティアに通い、大きな犬も触れるようになりました。
「安寿もだいぶ触れるようになったんですが、はしゃいで目がランランとしてくると、まだちょっっとハッ!としてしまう(笑)」そうですが。

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安寿ちゃんと一緒に出勤するようになったので、一階にあった事務所スペースは衣替え。すっかり安寿ちゃんの育児ルームに様変わりしました。

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安寿ちゃんは、このお部屋で、眠ったり遊んだり食べたり。ひとり時間も楽しめるお利口さんなので、まったく仕事の邪魔にはなりません。
「安寿は、言葉がわかるんです」と、ママ。
「ご飯?」と聞くと「ウン」と答え、眠くなると、「眠いからお部屋から出て行ってくれない?」と言うそうです。(猫好きに通じる言葉でね)

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今はまだスレンダーな安寿ちゃんですが、いっぱい食べて、パパママの愛情をたっぷり受けて、お店の看板猫としてすくすく成長していくことでしょう。

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「可愛いです」と口をそろえるパパとママ。
あの日、担ぎ込んだ獣医さんでは「明日だったら死んでいた」と言われた小さな命でしたが、こんなすてきな家族の一員になりました。

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ECHICA+の壁には、ママの友人の画家やのふらんしすかさんが描いたシャケちゃんと安寿ちゃんの絵が飾られています。

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あっ、遊び疲れた安寿ちゃん、またオネムになってきました。

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安心してお休み。パパとママはこの先ずっと安寿ちゃんのそばにいて、一生涯愛してくれるからね。


「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

P9210072-2.jpg
猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

読みながら、写真を見ながら、涙が出ました(ToT)💕ありがとうございます😻💕💕

by ふう🌸 2024-09-10 15:27

子猫の破壊力!たるや凄いですねー
カワイイのかたまり。
良い方に保護してもらい、命が繋がったんですね。出会いは、奇跡ですよね。特に野良さんとの出会いには運命を感じます。あの時あそこに行かなかったらとか、眼を向けなかったらとか……
これから、お客様にも愛されて、看板猫にまっしぐらかな?
笑顔の安寿ちゃんに、今日一日Happyな気持ちになりました。

by ちぃ 2024-09-10 15:28

屈託のない表情豊かな安寿ちゃん、どんな格好をしていても見飽きることがない。道端に佇む僅かな姿に気付いてもらえた上に、素晴らしい名前も付けてもらって幸せそのもの。これからの成長も楽しみ、ご家族皆様のご多幸をお祈りいたします。

by Y.M 2024-09-10 16:33

>ふうさん

ひとつの小さな命が今あることには、必ずドラマがありますね!
私も自分のドラマを悔いなく生きようと思います。

by 道ばた猫 2024-09-11 09:50

>ちぃさん

安寿ちゃんを真ん中に、救った二人のご家庭に幸あれという思いでいっぱいです。
猫との出会いは奇跡。まったく同感です!

by 道ばた猫 2024-09-11 09:53

>Y・Mさん

安寿ちゃんが大きくなったら、また取材させてもらいたいなあと思いました。
きっとやさしく賢い美人猫さんになることでしょう。

by 道ばた猫 2024-09-11 09:55

安寿ちゃん可愛い~。
そう言えば、我が家も言われます。父ちゃんねこ嫌ってたよね?
1週間で陥落したのは私です。
だって可愛いんですもん...

by ヤンヤン 2024-09-11 19:43

安寿ちゃん、なんて表情豊かで可愛いんでしょう~♪
長~い手足でスタイルも抜群ですね!
ほんとにネコさんとの出会いは、運命というか必然ですよね。
そして「自分も猫を愛する人になろう」なんてなんて素敵な言葉でしょう…!
もうカッコ良過ぎます・・・
で、最後のネムネム安寿ちゃんに完全にノックアウトです。
どうかいつまでもお幸せに(^^♪

by ぴっころ 2024-09-12 16:39

安寿ちゃんと聞いて子供の頃にお婆ちゃんから何回も読み聞かせてもらった『安寿と厨子王』を思い出しました。
雅で可愛いお名前ですね❤️安寿ちゃんはきっと幸せになるために生まれてきたんだね😊

by ダム麻里子 2024-09-15 15:01

とても心が温かくなりました💓

とっても可愛い安寿ちゃん😍

優しいママさんに見つけて貰えて、命を救って貰えて本当に良かったです💓

ふうちゃんの絵も、とても癒されます💓

パパ、ママと一緒に出勤なんて、とても幸せな事ですね💓

いつまでもお幸せに💕

by ちえみ 2024-09-17 01:18