[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

キジトラの女の子、ジタンちゃんに会いに行ったのは、9月の終わり。



まだ推定1カ月半。
キトンブルーの瞳がちょっとはにかんで迎えてくれました。
その2日前に、都内から農村に移住して暮らす智子さんから、こんな写真が送られてきたのです。



「子猫が増えました。田んぼで必死に救いを求めていた子です」
おにぎりと一緒の記念写真のなんたる可愛さ。すぐさま2日後、都合をつけてはるばる飛んで行きました。



まだ暑い盛りに田んぼで拾われて10日にしては、ジタンちゃんはとても活発で、椅子の下布を引っ張ってみたり。



やさしいダヤンお兄ちゃんのシッポをおもちゃにしたり。



猫大好きのハチおじさんの大きな前脚にもたれてくつろいだり。
シェルターから迎えたハチは、猫が大好きすぎて、頭からパクリが最大の愛情表現なのですが、さすがジタンちゃんが小さすぎて、まだ扱いにおっかなびっくり。驚かさないようにそーっとしているのは微笑ましい光景です。（きっと早く抱きしめたり初パックリしたくてうずうずしていることでしょう）



ジタンちゃんは、酷暑の9月半ば、犬の散歩で田んぼ道を通りかかった人に、田んぼからミャアミャア救いを求めてきたそうです。でも、犬連れだし、猫は飼えないので「ごめんね、ごめんね」と心で謝りながら通り過ぎてしまいました。近くには、段ボール箱があったので、おそらく捨てられたばかりと思われます。
次の日も、その人が同じ畔道を通りかかると、昨日の子猫が田んぼからその人の足元まで必死に上がってこようとしました。もう放ってはおけませんでした。この日、手を差し伸べなかったら、脱水かカラスの餌食かで命は尽きていたことでしょう。
その方に相談を受けた智子さんが、一時預かりを引き受け、情が移ってそのままエイッとばかり8匹目の保護猫として迎えたというわけです。



そう、智子さんちには、総勢7匹のワケアリ保護猫とワケアリ保護犬がすでにいたのです。
2年前の当グログ「家猫になりたかったクロくん」でご紹介したときも8匹の保護猫がいました。三毛猫はづきちゃんと、茶白の茶々丸と、保護したときすでにヨレヨレの10歳越えだったクロちゃんは、今は天国ですが、最後の日々を家猫として穏やかに仲間と共に暮らせて、さぞしあわせだったことでしょう。
その後にやってきたのが、シャム風のバリくんと、キジ白のダヤンくん。



どっちもどこからか流れてきた子で、バリくんは警戒心マックスで家に入れるのに難渋したそうですが、ダヤンくんは何の躊躇もなく自分から入ってきたそうです。



これが、性格ハナマルのお気楽猫ダヤンくん。
やってきたときは「こんなに汚れて痩せた猫でした」と、智子さんが今の丸々ダヤンくんのそばにスマホの写真を置いて、ビフォアーアフターしてくれました。別猫みたいですね！



若いダヤンくんは、幼いジタンちゃんがやってきたとき、大喜び。すぐにお母さんみたいに付きっきりで面倒を見始めました。遊んでやったり添い寝したり、お尻を舐めてやったり。
「他の猫はジタンを見るなり、シャ～とまずはお見舞いして、遠巻きにしてましたね」と、智子さんは笑います。



ジタンちゃんは、さんざん遊んで眠くなると、自分のケージハウスに入っていって、ひと眠り。ジタンちゃんの食堂とトイレもケージの中にあります。



今はまだ缶ビールとそう違わない大きさだけど、あっという間に大きくなっていくんだね。そのキトンブルーの目は、どんな色になるのかな。キジトラさんに多い黄緑色かな。



今では、ダヤンくん以外の猫さんたちみんなに可愛がられている末っ子ジタンちゃん。その瞳がこれから見つめる風景は、楽しいことだらけのことは間違いなさそうです。
ハチおじさんの初パクりは、いつかな？

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫は奇跡』
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


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