先週の秋晴れの日、山梨県笛吹市への日帰り旅で、こんな猫さんに出会いました。
石和駅前のカフェ「BEER&CAFÉ 雪・だるま」さんの店内です。
なんて綺麗な青い目なんでしょう。
夕暮れ時、「犬も猫もいます」と看板に書かれた店に入ろうとした初めての客の私に、「店内に犬も猫もいますが大丈夫でしょうか。犬は甲斐犬が3匹いて、かなり吠えますが最初だけですので」と、お店の方にとても丁寧な対応をいただきました。
「犬も猫も大好きですので」と言いましたとも。
入店時には、甲斐犬3匹の「よそ者だな」という激しい吠えに迎えられました。
でも、「動物好きのお客さんか」と認知した後はすぐに静かに。
右から、中虎毛の琉風(るか)、黒虎毛の彩匁(さやめ)、赤虎毛の紅龍(くりゅう)さんの雌犬3匹。甲斐犬3虎毛勢ぞろいはめったに見られませんね。
で、青い目の猫さんは店内奥のスペースに自由出入り自分の猫小屋を持って暮らしていたのです。
「この子は引っ越しで置いて行かれた猫なんです」と、お店の方。
お母さんと娘ふたりの姉妹でお店をやっていらっしゃいます。
元は東京で、「BEER BAR 雪だるま」と言うお店をやっていらっしゃったそうで、駅前の区画整理のため取り壊しに。駅前高層マンションに入りたくないので、縁のなかった山梨県に7年前に移住なさったそうです。
引っ越してきたときは、甲斐犬の彩匁さんと、猫6匹!
「猫は全部保護猫で、ベルちゃんファミリー4匹。それからシルバーとピンクという黒猫たちは空き家の縁の下から引っ張り出した兄妹です」
ブログで拝見するシルバー・ピンク兄妹。なかなかの面構えですが、いたって甘えん坊だそう。
山梨に来てから、またまた犬猫が増えました。
6年前が、青い目のヨリちゃん。
犬の散歩で出会った家なき子。でも、元は飼い猫だったのです。引っ越した飼い主に置いていかれたのでした。
それで、ヨリちゃんハウスには、こんな張り紙があります。
でも、今のヨリちゃんは、お客様に大人気。
東京から連れてきた保護猫たちは人見知りが多いので2階住まいですが、人が大好きなヨリちゃんは、またとない店内暮らしを満喫しているのです。
甲斐犬の琉風さんと紅龍さんは、訳があって引き取った子たちです。
東京から連れてきた黒虎毛彩匁さんは、一番警戒心が強い用心棒。飼育放棄されていた保護犬の中虎毛琉風さんは、ポーカーフェイス。わけあって引き取った赤虎毛の紅龍さんは、一番無邪気。ヨリちゃんのおうちもときに訪問します。
そして5年前にやってきたのが、駐車場で雨に打たれていた黒白子猫のミストくん。
ミストくんの面倒をせっせと見てくれたのは、黒猫兄妹のお兄ちゃんシルバーくんでした。
ミストくんも2階住まいなのすが、連れてきてくださいました。
「動物好きのお客さんが、ここで犬や猫と触れ合って、喜んでくださるのがうれしい」と、お店の母娘3人は口をそろえます。
ここは、マナーを守れば、犬猫の来店も大歓迎で、いろんな犬さん猫さんのお馴染みさんが日々ご来店。
山梨に来て7年。そろそろ東京に戻ることを考えていらっしゃるのだとか。
「東京に戻っても、犬猫と触れ合える楽しいお店をやります!来てくださいね」
大家族のお引越し、大変でしょうが、ヨリちゃん、元気で東京でまた会おうね。
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
猫は奇跡』
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選
『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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