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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2024年12月03日

青い瞳の大ちゃん

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水色の静かな目の持ち主、「大ちゃん」は、推定10歳越えのイケメンおじさん猫。
利根川の近くの家で暮らしています。

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あたたかな自分のベッドを持っているのだけれど......。

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ソファーの上でごろん。

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爪とぎの上でごろん。

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テーブルの上でも、ごろん。どこででも転がってしまう大ちゃんです。

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転がったとき、後ろ足がクロスしてしまうのは、外猫時代に骨折するような目に遭ったことががあったのかもしれません。

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でも、大ちゃんが一番好きなのは、ソファーの上のお母さんの隣!
お母さんは、虐められていたガリガリのノラだった大ちゃんをおうちに入れてくれた人だから。

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えっ、大ちゃん、ガリガリ時代があったの! 今の姿からは全然想像できません。
7年前に現れた大ちゃんは、目は鋭く、毛並みはゴワゴワ、やせ細ったノラでした。何歳かはわからないけれど、すでにおとな猫。
近隣にノラがうろつくのをよく思わない人がいて、虐められてもいたようです。
そんな大ちゃんを不憫に思って、外階段の下で、こっそりご飯をやっていたのが、まだお元気だった知子さんのお母さま。

家の中にすでに高齢の保護猫が2匹いたことから、「飼うことができないのに、情けをかけるのはよくない」と、知子さんはお母さんに言ったそうです。
でも、毎日ご飯をもらいに階段下で待っているガリガリ猫を見ているうちに、知子さんも情が移ってしまい、ご飯をあげるように。お母様も知子さんも娘さんも動物好きの一家で、犬たちも保護猫たちもみな高齢まで大切にして見送ってきました。

ある日、そのノラは、背中からべったりとコールタール状のものをかけられてやってきました。シャワーで何度も洗い流してやりながら、知子さんは「このまま外に置いておくわけにはいかない」と心を決めました
先住猫は、すでに1匹が旅立ち、残るは1匹。
「大ちゃん」と名付けて、家猫に。鋭かった目も、体も、みるみる丸くなりました。先住猫が旅立ったとあとは、大ちゃん、知子さんの愛情を独り占め。甘えん坊おじさんに拍車がかかっていきました。

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数年前から、お母様が要介護となり、知子さんと大ちゃんは、2階から1階へと居住空間を移したのですが......。

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大ちゃん、引っ越しにパニクって、障子ガラス(和紙フィルムを貼ったガラス)を頭突きで突き破り、逃げようとしたそうな。
「事件と言えばそのくらいで、こんな賢く性格のいい猫はいません。私の言う言葉がわかるんです」と、知子さん。
「ここにおいで」「待って」「ダメ」「お手」「背伸び~」など、犬並みに理解するのです。お母さんのそばが大好きで、トイレにもついていきます。「おばあちゃんに朝の挨拶をしておいで」と言うと、お母様の寝室に入っていって、ベッドサイドでスリスリ。
出入りなさる先生や介護士さんたち方にも大人気で、寝ている姿が「アザラシみたい~」と笑われています。おやつを食べる姿はレッサーパンダみたいですけどね。

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「家に入れてやったばかりの頃は、底なしで食べたがりましたが、ようやく落ち着きました」
飢えや寒さ暑さ、虐めなど、いろんな思いをしたのちに手に入れたわが家と家族。

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美味しいね。しあわせだね。

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「大ちゃんは、最後の猫。この子とずっと暮らすために元気でいなくちゃ」と、優しく大ちゃんを撫でる知子さん。大ちゃんのゴロゴロゴロが聞こえます。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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猫は奇跡
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選

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猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

大ちゃんは人の言葉を理解するとのことだが、手も上手に使うし、表情も豊か。それぞれの写真には吹き出しの言葉がつけられそう。ガリガリの猫がここまで育ったのは、お母様と知子さんがかけた、愛情の深さ故だろう。

by Y.M 2024-12-03 16:08

外猫の暮らしの厳しさに心が痛みます。うちの仔達も皆、もと野良猫ですが、大ちゃんの様に丸っとなりました。まだ、台所のゴミを覗いたりする仔もいます。
大ちゃんは賢い仔ですねー 美しい青い瞳に優しい人ばかりが映るようになって本当に良かった!

by ちぃ 2024-12-03 17:00

青い瞳のおじさん猫!
おうち猫になると体つきもお目目もまん丸になりますね。
仔猫はもちろん可愛いのですが、歳を重ねたおじさん猫とても可愛いです。
我が姫ももう七歳、歳をとった分可愛さマシマシです。(笑)

by ヤンヤン 2024-12-04 07:48