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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2025年01月22日

新しい猫生...レオニくん

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白くて大きくて、静かな目を持つレオニくんは、推定4歳。家猫になってまだふた月足らず。
初めてのお正月を、この日当たりのいいおうちで迎えました。

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「えっ、えっ、それ以上近寄らないで。ボク、こう見えて、ナイーブなの」と言いたげなレオニくんなので、近づくのはもうやめておきます。
レオニくんがひまわりライオンみたいになっているのは、皮膚炎の治療中だから。そう、ナイーブゆえに、何かあると掻き崩しをしてしまうからなんです。

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レオニ、大丈夫だよ。この人、ただの猫好きだよ。
そうたしなめているかのように余裕しゃくしゃくなのは、先住のモンローくん。神秘的な目を持つ彼は、レオニくんより2歳上で6歳の、気のいい兄貴です。

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モンローの名は、お母さんの繭美さんが好きなスヌーピーの作者チャールズ・M・シュルツのミドルネームから。
レオニの名は、これもまた繭美さんが大好きな「スイミー」などの絵本で知られる絵本作家レオ・レオニから。
すてきな名前を持つコンビです。

レオニくんにとっては3番目で、最後の名前。センター時代の名は「きょう」くん。そして、預かり時代の名は、「ごまちゃん」でした。

レオニくんは、去年2月に路上で行き倒れていた負傷猫でした。通報があり、警察から愛護センターへ。
収容したての取扱注意の犬猫は、通称「抑留室」と呼ばれる独居部屋に最初は入れられます。この白い猫は怪我をしてパニックになっていたのでしょう、狂暴ゆえに「きょう」という名を付けられました。
たまたま、引き出し団体登録にセンターを訪れていたのは、市川市で地道な活動を続けている「猫家族」の真奈美さんと愛さんでした。(真由美さんのお話は、2019年12月10日の当ブログ「6匹の『預かり猫』」でご紹介)
独房の奥からじーっとこっちを見つめているボロボロの負傷猫の寂しげな目が、ふたりの目に焼き付きました。

その日から、センターにきょうくんのその後を尋ね続けたふたり。通ってくださるボランティア団体の手当てや、センターのスタッフの方のお世話とで、怪我は治っていきました。
去年の12月8日に、きょうくんは、「猫家族」さんによって引き出されました。
「引き出しに8カ月もかかったのは、悩みに悩んだ末の引き出しだったから。小さな団体にとっては、それだけ引きだす責任は重いんです」と、真奈美さんは言います。
引き出したからには、うんと幸せにしなくては!
愛さんのおうち預かりで、家猫になるための修業が始まります。

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 photo by ai
名前は、ごまアザラシに似ているから「ごまちゃん」に。

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 photo by ai
他の保護っ子たちともすっかり仲良くなれる穏やかな性格の子でした。

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 photo by ai
とんとん拍子で、人馴れ終了。
さあ、譲渡会参加です。おとな猫は、申し込みが少ないけれど、がんばれ!

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11月に開かれた譲渡会初参加のごまちゃんは、その日、ひとめぼれをされてしまったのです。

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ブリーダー放出猫だった先住猫モンローくんの相棒探しに譲渡会を訪れた繭美さんは、ケージ内にひっそりと座る白くて大きな猫に心を奪われます。その子は、繭美さんが手を差し出すと、いくらでも撫でさせてくれました。
その日のうちにトライアル申し込み。
そして、モンローくんとの相性も良く正式譲渡と、とんとん拍子に家猫に。

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皮膚が少し弱く、引き続きのケアが必要との条件も、繭美さんはしっかり理解して受け入れました。
モンローくんも、大きな弟ができてうれしそうです。

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倒れているのを見つけてくれた人、すぐに来てくれた警察官、収容後引き出しまでの面倒をしっかり見てくれたセンターの職員さんやボランティアさんたち。引き出して譲渡につなげた猫家族のふたり。たくさんの手が、今のレオニくんの穏やかで安心しきった日々を作りました。
もうすぐ春。陽だまりの中の午後の大きなあくびが、レオニくんのしあわせを物語っています。皮膚炎も少しずつ治っていくことでしょう。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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猫は奇跡
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選

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猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

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しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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いつもそばにいる猫
描き下ろし猫スタンプが登場。猫たちがあなたのトークルームに寄り添います!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

レオニくんもモンローくんも、なにか考えているようで個性的。今のように安心して暮らせるようになるまでには、なんと多くの人たちの心が動いたことだろうか。この幸せがいつまでも続きますように。

by Y.M 2025-01-22 12:55

レオ二くん、一人一人の小さな愛情がまるでドラマのような展開で繋がっていたのですね。
これからの猫生もばっちり!
4枚目のモンローくんとのコントラストが印象的で、まるで絵画のように素敵です。

by ヤンヤン 2025-01-24 07:32

レオニくん いいお名前ですね。
辛い経験を沢山した仔が幸せになる… これ程嬉しいことはありません。はじめから幸せなのが一番いい事ですが、レオンくんの今の穏やかな目を見ると、笑顔になります。
うちの白猫さんは、少し怖がりさんです。レオンくんも、そうみたいですね。でも、すぐに慣れるなんて、賢い本当に良い仔ですね。

by ちぃ 2025-01-25 19:55

ひまわりライオンのレオニくん、素敵なお兄ちゃんができて良かったね~♪
おとなネコさんで、初めての譲渡会でひとめぼれされるなんて、レオニくん、超ラッキーボーイですね!
それにしても、愛護センターで何ヵ月もお世話してもらえるのは、ほんとうに羨ましいです。私のところでは、「命の期限」は、今でもたったの1週間です…(T_T)

by ぴっころ 2025-01-27 23:05

>Y.Mさん

猫って、えいやって身をゆだねときがあって、その見極めは賢くてさすがだと思います。
レオニ君も、繭美さんを選んだのでしょう。

by 道ばた猫 2025-02-07 15:20

>ヤンヤンさん

センターの方も、猫家族さんが引き出しに来る日をずっと待っていたようですよ(笑)。
いろんな人の思いが一つの命を救いましたね~

by 道ばた猫 2025-02-07 15:23

>ちぃさん

交通事故による負傷らしいので、収容時は相当パニックになっていたのでしょうね。
その日に猫家族さんたちが訪れていたことが、2番目の運命の分かれ目でした。

by 道ばた猫 2025-02-07 15:26

>ぴっころさん

各県の収容事情もあるのでしょうが、一日も早く「命の期限」がなくなりますように。そして、じゅうぶんのケアをされて送り出してもらえますように。

by 道ばた猫 2025-02-07 15:29