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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2025年04月22日

猫食堂も併設してます

月曜日の夕方。駐車場に車を入れて「やってますか~」と尋ねると......。
「やってますよ~~」と、恰幅のいいキジトラくん。

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「へえ~、県外から。それはそれは」

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はい、国道から奥の道にこんな看板がちらっと見えたので、引き返してやってきました。

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ここは、茨城県の霞ケ浦大橋のたもとにある、「うおのがわ」という食堂です。
猫好きは、見逃しませんね。

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歓迎してくれたのは、猫店長のとら君(後方)と、なるちゃん(前方)の仲良しコンビです。
ここは、週末は観光客や地元の家族連れでにぎわうお店。石窯で焼くピザやポークやおにぎりなどが人気メニュー。
平日とあって、きのうはひとり占めの店内でした。
味噌の焼きおにぎりと、穫れたてシイタケとタケノコのてんぷらを注文し、待っている間、とら君が「お庭を案内してあげる」と誘います。

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尻尾をピンと立てて先導。成田の無農薬野菜直売所のチャーリーさんといい、キジトラ店長は誰にでもフレンドリーで、仕事ぶりが見事。
ご主人は野菜畑担当で、もっぱらひとりで店を切り盛りするいすみさんが教えてくださいました。
「とらは、捨てられたのか、7年前におとな猫で迷い込んできたとき、絶対に人に触らせない愛想のない子だったんです。『チュールを持ってきてくださったり可愛がってくださるお客さんにありがとうをしようね』と言い聞かせていたら、お客さん大好きの猫店長になってくれました(笑)」
いすみさんは、新潟生まれ。そばを魚野川が流れる町でした。ご主人の実家である霞ヶ浦ほとりの大きな農家の一角にお店を持ったのが、15年前。
お店完成間近に東日本大震災が起こり、コロナ禍のときもお店を開けることができない期間がありました。「いろいろ大変だったけど、石窯の風味と、『新潟のおばあちゃんの味付け』で頑張ってます」
ご夫婦で、土地柄多い捨て猫や迷い猫を何匹も保護して、面倒を見てきました。とらは、あとからやってくる猫たちをみんなやさしく気遣うボスです。

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お店は火曜日が定休ですが、テラスに常設の猫食堂は毎日無料営業。

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通い猫のぽんた君も毎日やってきます。
「定食、きょうも美味しかった、ごちそうさま」と帰っていくのですが、いまいち愛想がないのだとか。
通いは、もう一匹、同じく人馴れしていない「おば」ちゃんがいます。

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そして、ここには犬も。
ブリーダーに飼育放棄されていたというはなこさんです。
どう猛とも言われるピットブル種ですが、はなこさんは、いたって温厚で性格ハナマル。ハナコさんの食事をチェックしに来るとら店長にも、まるで頭が上がりません。
「うちは一家全員動物好き。母屋に住んでいる娘一家の飼っている猫を見に行きます?」と、いすみさんに誘われ、もちろんもちろん!

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小学生のお孫ちゃんに抱かれたみる君。地区の草刈りに出かけたここのお父さん(娘さんの夫)が、拾ってきた捨て猫でした。普通の子猫でしたが、みるみるゴージャスな長毛に。
「新潟から、縁あってこの地に来たけれど、いいところですよ。とにかくね、種が飛んできたら、木でも草花でも、何でもよく育つから楽しいわ」と笑ういすみさん。
たしかに広い庭にはいろんな木々が新緑を伸ばしていて、まるで高原にいる気分でした。猫たちも、心地よいに違いありません。

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「あと一年で、お店のローンが終わるので、あとはお店ものんびり好きなふうに楽しくやっていくわ」と、いすみさん。

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いい笑顔です。

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「また来てくださいね。ボクも10歳を超えてそろそろおじいちゃんですが、天職の猫店長職をもう少し楽しみますから」
とら君、またね!!


「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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猫は奇跡
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選

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猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

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いつもそばにいる猫
描き下ろし猫スタンプが登場。猫たちがあなたのトークルームに寄り添います!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

フレンドリーな顔つき体つきのとら君、見ていると何か話しかけたくなるから不思議。白いソックスを履いている姿もカッコいい。それにしても、何でも来るもの拒まずのいすみさんは凄い、ワンニャンたちが穏やかないい顔しているのも頷ける。

by Y.M 2025-04-22 16:54

トラくんが、尻尾をピンと立てて歩く姿、可愛いです! ご機嫌さんなのが、よくわかります。
猫食堂に集まる猫や犬たち… 毎日、開店しててありがたいですね。穏やかなピットブルのハナコさんのお目々に癒されました。なんていい子!
イングリッシュガーデンのように、計算された庭もいいけど、種が飛んできたり、鳥が運んで芽吹いた草木を大切にされていて、居心地がいいお庭ですね。

by ちぃ 2025-04-22 20:01

猫店長と猫食堂の地域猫お客さん。もはや絵本の世界としか思えませんね。
飼育放棄されていたはなこさん、長毛保護猫みるくん、もう完璧です。
行ってみたいお店がまた増えてしまったようです。(笑)

by ヤンヤン 2025-04-22 20:16

「うおのがわ」って、お店の名前で⁉️
やはり、新潟に縁のある方でしたね。
清流魚野川に育まれた奥様、優しさがいっぱいだからピットブルや
ちょっと気難しい猫も、心を許してくれる
のでしょうね。

by 妖怪元気ババア 2025-04-23 19:42

>Y・Mさん

飼い主さんの生き方性格って、猫たちにも伝播しますよね~~。
自由で平和な猫暮らしが一番と、思いました。

by 道ばた猫 2025-05-02 15:02

>ちぃさん

霞ケ浦のいいところをお尋ねしたら、「種が飛んできて・・・」の答え、とっても素敵でした!!

by 道ばた猫 2025-05-02 15:03

>ヤンヤンさん

表通りから見えにくい猫看板からして、浮世離れした風景でした(笑)。
レンコン祭りの期間のレンコンコロッケがおすすめです!

by 道ばた猫 2025-05-02 15:06

>妖怪元気ババァさん

新潟の方には、すぐピンとくる名前なんですね。
私はなんで、石窯ピザのお店がこの名前?と不思議でした。

by 道ばた猫 2025-05-02 15:09